映画・感想

映画感想:「キラーカブトガニ」

2021年製作/80分/R15+/カナダ
原題:Crabs!
配給:エクストリーム

あらすじ
廃炉となった原発が爆破処理されたカリフォルニアのある海辺の町で、 謎の行方不明事件が続発し、白骨と化した人間たちが発見される。 保安官は当初、人喰いザメの出現を疑うが、被害者たちを食べたのは サメではなくカブトガニ、それも放射能の影響で凶暴化し、さらに巨大化した カブトガニの群れだった…。 やがて一匹の殺人カブトガニがゴジラ級に巨大化し、 町は壊滅の危機に陥るが…
公式サイトより

以下、雑感

私はこの映画にお金を払って映画館に観に行ってよかったんだろうか。

大いによかったです。

狙って作ったB級映画って感じ。「人喰いカブトガニ」という一枚のカードで勝負しに来てる『潔さ』もすごい。だが他の全てが雑。その雑さもまたよい。大き過ぎるツッコミどころがあると逆に気にならないという知見を得ました。開き直った謎の爽快感がある。あと、この映画の撮影において現実のカブトガニは一切傷つけていないそうです。

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原発の爆発事故(たぶん)によってばら撒かれた放射能を浴びたカブトガニが進化!!陸に上がり人を喰らう「キラーカブトガニ」となって街を襲う!!

という。やつ。

開始5分で雑なCG合成爆発で原発が逝き、真っ昼間の浜辺で全裸セックス中のカップルが食われた!!

最高の導入。バッチリ過ぎる。

あとはもう荒唐無稽を絵に描いたような展開。知能の高いキラーカブトガニは鳴くし踊るし酒も飲む。ポルノも見るし縦ノリもする。

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このカブトガニの動きがまたいいんですよ。速いルンバみたいな動き。めちゃ滑らか。めちゃ安い。そして鳴く。グレムリンみたいな声で。

いっぱい人食べたら進化して2メートルくらいのレギオンみたいなカブトムシみたいな(?)化け物に進化。着ぐるみ感すごい。強い。

最終的にはゴジラくらいの大きさの大カブトガニが出てきて巨大ロボと戦って終わりました。そして場面転換。高層ビルの立ち並ぶ大都会。襲いくる無数の巨大カブトガニ。バックには富士山。立ち向かう主人公たちinロボ。彼らの戦いは続く………。

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脈絡のない切り札の巨大ロボ。割り切りと諦めが垣間見える製作シーン。アイアンマンが好きなんでしょうね。巨大ロボがサメ型だったのはなんかの暗喩なんだろうか。よかった。

エピローグで”似非ジャパン”まで出してきた。

ほんとA級のB級映画。

なにがあれって中型カブトガニと大型カブトガニはデザイン一緒なんですよね。予算があるのかないのか。いやないんでしょうけども。チープさと潔さの塩梅がクセになる。

チープさの中でも俳優さんたちはちゃんと芝居してて熱が高いのでギャップもまたよい。

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忍者ももちろん出てきましたよ。忍者に刀はつきものだそうです。最高。

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よかったです「キラーカブトガニ」。いやー映画って物語って自由。相席食堂のノリで友人たちとツッコミながらみるとなお良いでしょうね。いつかしてみたい。もっとこういうの探そう。ビバB級。ビバカブトガニ。浜辺で見つけたら優しくします。