イマイチ。
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開演前から列に並んでいる間にざっと検索してみた感じ6回公演で動員1000人さっと越えてるみたいだ。東京だとこれってどのくらいなんだろう。
「劇」小劇場は初。
客席は多分90くらい?全11ステージ。14/19。客層は幅広い感じかなぁ、1ステだけだとなんとも判りませんが。
客席スペース際っきわまで使ってたのでお客さんちょっと通り辛そうだった。
間口は甘棠館くらい+階段。たっぱは3000くらい?結構高い。形が面白いなあ。the.小劇場って感じで好み。
そういえば開場曲とか無かったな。普通無いのかな。
舞台は黒い蹴込、白い床面。大まかに3段くらいの無機質なジオラマ系。
壇上で島(櫓イメージなのかな?)みたいになっていて最下段でぐるりと役者が回れるようになっている。
RGB三色で飾り付け。各色の三角形が散りばめられている。三色のガラスフィルムを黒地に張り付けている感じ。
また、三色の組み合わせで手すり等々立体がいくつか。公園の遊具みたいな印象。
椅子(箱)が2,3。上手最上段にベッド。中が開いて後ほど棺に。
下手に階段はけ口。多分地下かな?これは多分劇場の造りがそうなのかしら。
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一人の女性の一生の話。
病気で臥せっているおばあちゃん状態からスタート。遡って父親の股にぶら下がってる精子がセックスで受精する道のりから語りだす。
先天的に破滅願望持ちで普通の”幸せ”というものにど~しても嫌悪感を抱いてしまう性質の彼女。
人並みの両親・家族・友人・恋人・世間が望む望まれる普通の幸せから逸脱しないように、求められるまま応じていく。
そうして周りに合わせ、本来の自分の性質を押し込めていくうちに段々と自分の本当の形を見失っていく。
その過程が、人生が描かれていく。
という感じのお話。
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”幸せ”ってなんだろう?っていう話かな。
人間は幸せになるために生まれてきてそのために生きていくモノだと僕は思うし信じてますが、幸せにも様々あるとは思います。
世間一般・普通・大多数の人々は、例えば裕福で自由で温かいプラスな幸せを求めるものだと思うんですが、対象的に破滅的で刹那的で退廃的なマイナスな幸せに心地よさを感じて求めることもありますよね。
大雑把にカテゴライズすると後者を”不幸”って呼ぶんでしょうか。
自分の周囲の人とこの辺の価値観が合致してたら言うことありませんがズレてたらきついですよね。
幸せって元来自分独りだけのモノですから押し付けられるとすごい気持ち悪い。
でも周囲の期待には応えたい。だから欲求は押し込めちゃう。キツい。
主人公は周りを捨てれる程には強くなかったし、適度にイイ子できたのが一番の不幸だったのかな。
自分の形に気づいたら逆らわず生きるのがいいんでしょうかね。多分世の中の多くの人は意識すらせずに一生を終えるので。
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主人公は黒服の若い女。語り部も兼ねる。と、その内心の代弁者(白塗りの禿)が出来事に応じていく。
多分出来事に対しての建前(黒服)と本音(白塗り)のギャップとか楽しめばよかったんだと思うんだけど、黒服の方も中途半端に黒いこと喋るから白塗りの存在がなんかゆるくなっちゃってた。
結局ずっと主人公の内面世界の語りばかりで、変革が何も起こらないのでつまらない。タイトルから予想出来てたけど。
ダウナーな心象ばかりで100分間ダルかった。
主人公の俳優さんかわいいなとは思ったけどパワーが足りてない。
笑いもエロも狂気も何もかも中途半端で冷めてしまう。完全に好みの問題だが発狂絶叫系クレイジー演技は正直食傷気味だ。
狂気っぽいもののテンプレをそのまま持ってきてる様で、キャラクターが生きてる感じがしなかった。なによりリアクションがつまらない。
一度観ただけで何とも言えないけれど、キャスティングとキャラクターが嚙み合ってないように感じて気持ちが悪かった。特に冒頭の息子とか。
演出もあまり客目を意識してないように感じた。終盤一番主役のこと観たいところで一番下で屈まれたらどうしたらいいかわからん。なんか意図があったのかしら。
舞台の意匠にはどういう意味があったんだろう。わからなかったな。
メンヘラ女子大生が創ったような芝居だった。
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3500円は高かったな。