なんというか、なんにも得るものの無い芝居だった。
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ぽんプラザホール。
灰色パンチに真っ黒な立て板。ハケ口は左右のみ4ヶ所。
会場曲と劇団のロゴのライトが良い味出していて、開演前はとても良い雰囲気。
ソファ、テーブル風の黒い箱2つ、棚等がキャスター付きで場転に応じて移動。
野球部部室、リビング、タクシーの車内、野球のグラウンドの4場面くらいかな。
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あらすじ(公式サイトより
「あきらめる?」ある者は試合中のマウンドで
「あきらめる?」ある者は走行中の車内で
「あきらめる?」ある者は非日常と対峙する中で
それぞれが自分自身へと問いかける。
プライド、恋、過去と現実…交錯するそれぞれの熱き想い、
その行き着く先は果たして一体何処へ!?
『Act.base』がお届けする、あきらめきれない人達へ捧ぐ、
青春コミカル・クロスプレーストーリー!!
野球に関わる人たちの群像劇。
それぞれの抱えてる大小の悩みについて葛藤や努力がコミカルに描かれている。
あきらめずに先に進んでいくためのお話。
かな。
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とにかくキレがない。
特に俳優の演技が素人くさすぎて上手くお話にノれなかった。
野球部OB役の俳優さんたちは文字を追われて無理やり言葉を出しているようで、観ている側は感情の起伏についていけない。
ほとんどが演劇部入りたての大学生のようだった。
双子の人たちはまず声が出ていないし、せっかくのコミカルなシーンで頑張っている芯の役者さんが観ていて気の毒に感じてしまった。
そう、気の毒に思ってしまった。
この座組でも観れたのは劇団の主要メンバーだけだったが、周りのレベルが低すぎてみんな悪目立ちしていた。
パワーを感じる俳優さんだったのにもったいない。
前回観た芝居もそうだったけれど会話がすごくカタくて上手く呑み込めない。
小ネタがいくつかあったようだけど演者自身が滑らかに発せていないので1つも響かなかった。
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最終的にはブランクとかスランプとかに負けずにやりたい事にしっかり向き合おうみたいな感じに終わったわけどけども、
80分あっても印象はスカスカ。
中身が詰まっていなかった。単純に俳優や演出の練度というか、向き合い方が足りなかったよう印象。
僕が観にいった回は客席もまばらで空きが目立ったけども、さもありなんというところだろうか。
団体の主要面子はしっかりパワーのある俳優さんたちだったので、若い周りが追いつけば今後もっと面白くなるのでないでしょうか。
多分。