作/演出:橋谷一滴
会場:イムズホール
チケット料金:無料(要予約)
上演時間:約60分
公演の説明
全員高校の演劇部で構成された福岡のアートユニット・Space_の演劇公演。
イムズ閉館1年前のイムズホールの無料貸し出し企画を利用した公演。
あらすじ
今日、チューリップを買った。
キャスト:にしむらまなみ(非・売れ線系ビーナス)
橋本優希
臼杵純大
古賀想恩(非・売れ線系ビーナス)
千代田佑李
木庭美生
以下:雑感
センスだなぁ。
完成された世界観を感じました。舞台の端々まで作り手のエネルギーが込められている。
初めて観劇する団体さんで完全に未知数でしたが、イムズホールも使いこなしていましたし、
日ごろからの創作への積み重ねが見えた気がします。
あまり年齢を引き合いに出すのは失礼かとも思いますが、高校生の時分からこの完成度は素晴らしい。
これから磨きがかかるとどうなるのでしょう。期待大。
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舞台はイムズホールの昇降舞台を6×2。
天下一武道会の舞台みたいなステージ。
全体的にグレー。
アクティング場にテーブル一つ。木製のチェアが4つくらい。
テーブルの上には大きなガラス瓶と中に一本の花(美女と野獣のアレみたいな)。それと白い大きめの水差しが一つ。
その頭上にはランプ。
オシャレなカフェみたいな印象。
ステージのバックに大きな白い幕。波打つ巨大なカーテン。そこに主に「chapter:○○」とシーン毎に投影。オシャん。
客入れ時からステージ上には白い布が広がっている。キャストさん達が被ったまま板付してました。
衣装は全体的に白。アクセントで赤。
チューリップ🌷の差し色なのかな。
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先にも書きましたが、
演技や脚本だけでなく、舞台装置や灯り・衣裳小道具に至るまで、細部に演出の意思・意識が行き届いているのを感じました。
面白い演劇はたくさん観てきましたが、そのように感じるモノはそうなかったです。
なんというか「余白」が無かったような。創作に対するプライドのようなモノが見られて心地よかったです。
ちょっとビビりました。
あぁ今誰かの世界に入ってるな
と自然に思えました。
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オープニングから流れが綺麗でしたね。
オープニングにこだわる団体さんは好きです。個人的に。
つらつらと語る登場人物たちそれぞれが生きてて、それぞれの世界を持ってる。
みんなどこか厭世的な、達観したような。それでいてなにかに抗おうとしてるような様が好きでした。
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無理やり悪いとこ言おうと思うと後方の客席は見辛かったですね。煽り舞台なのもあって。
次は最前で観ます。
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年齢のことを言うのは本当に失礼だと思うし、こんなこと感じてしまう自分の浅はかさにもげんなりしますが
この年代でこの完成度は本当に素晴らしい。
この先彼らはどのように表現活動をしていかれるんでしょうか。東京とか行っちゃうんでしょうか。
それもそれで楽しみですが、福岡にいてほしいですねぇ。
そんなことが自然に思えた、良い観劇でした。楽しかったです。