作/演出:中嶋さと
会場:JR九州ホール
チケット料金:2,500~ 2,000円 ※配信チケット1500円
上演時間:約35分
公演の説明
1プログラムにつき2劇団がそれぞれ中編作品を競演する演劇フェスティバル。
観客が観劇後に作品名を投票し、作品のタイトルを決める観客参画型の演劇祭です。
二日目、18:00の回。ふた団体目。
福岡の劇団 FOURTEEN PLUS 14+の作品。
あらすじ
とあるファミレスで待ち合わせをする男女4人。4人は高校生の時同じ美化委員会に所属しており、
同じく委員の一人・”あぱやん”を待っていた。
偶然の再会から集まったと思っていた4人だったが…
キャスト: 委員長 中嶋さと
フジケン 古澤大輔(劇団ショーマンシップ)
田中 ともなが舞
ダイダイ 井出大貴(TWINPLANET福岡)
以下:雑感
面白いよりの普通。
ホールブラザーズさんと空気は似てるのかな。同じく人間の嫌な感じの部分をテーマに。
こちらは集団での同調圧力というか、自覚のある無自覚のいじめ。
過去の行いは思いがけない時に返ってくるもんですね。
嫌〜〜な感じもリズミカルな台詞回しと俳優さんの空気感で笑える感じに仕上がってました。
その裏で見え隠れする、なんだかネッチョリとした触感の「悪意」が心地よい。
まさしくタイトル通り、「くず。」のお話でした。
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舞台装置は何も無し。
箱馬が4つ。飾り無し。椅子になったり。
台詞がリズミカル。柿喰う客さんの手法に似てる。
キャストの語りでここにいない人物を描くタイプのお話。「キサラギ」みたいな。
箱馬を使って「あぱやん」の人物像を作っていく様子は上手いなと思いました。不気味感もあり。
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とあるファミレスに集合する四人。
高校生の時同じ美化委員会に所属していたという4人はもう一人のメンバー、「あぱやん」を待っていた。
4人は当時を振り返る。
美化活動に精を出していたという4人だが、実際は面倒な作業はほぼ「あぱやん」に押しつけておりサボってばかりいた。
文字通り美化されて思い出に花を咲かせつつ、「あぱやん」を待つ4人。
すると、4人共有のメッセンジャーに「あぱやん」から画像が送られてくる。
それはそれぞれの現在の恥としてる部分であり、偶然集まったと思っていた4人はそれぞれ「あぱやん」に再会し、集められていたのだった。
自分の恥部を隠したい4人は狼狽する。そこに現れる「あぱやん」。
なんと彼は集合場所のファミレスの店長をしており、一部始終を観察していたのだった。
取り繕い、再び高校の時のように形だけの仲の良い空気を作る彼ら。
キャンプに行こうということになるが、まためんどくさいことを「あぱやん」に押しつけようとする四人。
歴史は繰り返す。
大人になっても「くず。」なままの4人だった。
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これまでの14+さんとはまた毛色が違うような印象でした。
全体的には面白かったと思うんですが、
なんだかずっとジャブだけ打たれてるよう感覚で、読める展開を越えてくることがなかった感じです。
委員長役の中嶋さんの身体を張ったギャグなどは軽やかな空気で楽しく見れました。
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題名のない演劇祭の感想もようやく全て書き終えました。
普段通りの作風のところも一風変わったところもあり、すごく楽しめました。
「タイトルの後付け」もとても興味深かったです。
祭っていいものですね。
定例化していってほしい。
コロナを経て一時沈静化していた福岡演劇ですが、この月はキビるフェスなどもあり、盛り返してきたのを感じます。
この調子でどんどん活性化していってほしいです。