作/演出:中屋敷法仁
会場:本多劇場
チケット料金:1.800~6.300円
上演時間:約75分
公演の説明
関東の劇団・柿喰う客の2021年の新作本公演。5/21(金)~30(日)までの本多劇場での公演と同時に、
“PIA LIVE STREAM”でのライブ・アーカイブ配信も行っている。
5/27(木)15:00からのライブ配信を観劇。
あらすじ(公式HPより)
魑魅魍魎が跋扈ばっこする「高天原市立秋津島小学校」!
時刻は4時44分、夕闇ゆうやみ迫る逢魔おうまが時!
忌まわしき歴史に血塗られた幽愁暗恨の教室で、悪魔たちの課外授業が幕を開ける!!
演劇界の風雲児「柿喰う客」の最新作は怪優20名による大スペクタクル!
大人と子供と「七不思議」による学内抗争を描くホラー・スリラー・ミステリー!!
キャスト
伊笠真白:田中穂先
猿柴和泉:加藤ひろたか
洞福乃:福井夏
烈風梨加:北村まりこ
八田利一:中嶋海央
出任瀬恩里:佐々木穂高
矢尾町叶菜:葉丸あすか
五輪瑠呼:永田紗茅
鷺間凱哉:長尾友里花
多場かる馬:とよだ恭兵
尼舞寺保:蓮井佑麻
麻友翼:沖育美
根茂葉萌音:浦谷賢充
蘇園華純:七味まゆ味
ムラサキカガミ:村松洸希
モナリザ:原田理央
ハナコサン:今井由希
ベートーヴェン:田中廉
テケテケ:山中啓伍
ジュウサンカイダン:大村わたる
以下:雑感
凄まじい!!!
まさにスペクタクル。怒涛のような言葉の波に溺れそうになりながらも、卓越した俳優の身体と演技とチームワークによって無理やり覚醒させられてるような。
ある種拷問みたいな演劇でした。(褒めてます)
私が初めて柿に触れたのは、女体シャイクスピア001「悩殺ハムレット」からですが、これまで観劇したどの演目よりも息つく隙間のない、密な演劇でした。
正味2時間分くらいの文章量があったのでは?
柿さんの、演出中屋敷さんの演劇ノウハウというかメソッドが全て詰まっていたように感じました。大満足。
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舞台は平舞台。余計なものは何も無し。照明がかなり多いかな?
かつてつかこうへいさんが言ったらしい。役者のガッツが場面を変えるのだという言葉を思い出します。
オトナ・コドモ・フシギと、チームごとに時間や場所もコロコロ変わりますが、「今なんの話してんだっけ?」と思う間もなく
「今!こんな場面です!!」の力技で迷わず見続けられました。その分集中力をかなり要しましたが。
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照明が本当に素晴らしい。というかシンプルにきれい。
普段は「照明に気を取られる芝居はイマイチ」という考えがあるんですが、滅多滅多ではそこもすごく魅力的に感じました。
シーン全般の灯りももちろんのこと、特に終盤の幽霊と三人を分けて照らしていた場面。あんなに細かく分けられるもんなんですね。
ゾッときました。
ラストの盆踊りは圧巻。熱かったです。
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なんというかホントに「THE・柿喰う客」という感じでした。
エログロ要素満載のストーリー、韻を踏んだ台詞回し、軽めのノリ、リフレイン、圧倒的身体性とパフォーマンス。
それに加え今回の都市伝説・七不思議をもとにしたホラー要素。
合唱シーンでは露出狂を思い出しました。
進化・変化を続けて活かし続けている今の柿喰う客の真骨頂を見せつけてもらいました。最高。
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なかでも伊笠真白役・田中穂先さんが圧倒的ですね。一人だけ出てくるエネルギー量が違いました。
玉置玲央さんを初めて見た時のことを思い出しました。
というか魅力的な人が多すぎてヤバい。20人全員凄いのヤバい(語彙)
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なんだか変な物言いかもしれませんが、
演出の中屋敷さんは、というか劇団全体で、劇団員それぞれのできること得意なことしっかり把握・共有してるんだなって思いました。
劇団の仲いいんだなと。
なんだかあの座組の絆のようなものも舞台の上から伝わってくるようで。それもまた素晴らしい。
ていうか生半可な関係性であの芝居できないですよね。
大幅に人員を増やして20人以上いるチームであの感じは実はとてつもないことなのでは…。
俳優各人の芝居への向き合い方も見えるようです。
いや~~~~ますます好きになってしまいますね柿喰う客。
劇団員さんそれぞれの活躍も目を見張りますし、楽しみしかありませんね!
コロナが明けたらまた劇場まで行ってあの圧を生で感じたいものです。
永久に推します柿喰う客。次回も楽しみ。
期限までアーカイブも観まくります。