作:松野美湖都 演出:おちゃめインパクト
会場:甘棠館show劇場
チケット料金:無観客での映像公演。YouTube配信を観劇。
上演時間:約30分
公演の説明
福岡の若手劇団・おちゃめインパクトの、2021年に行われた第6回全国学生演劇祭への参加作品。
あらすじ
音信不通の妹・ハルの突然の帰省をきっかけに、夢と仕事(現実)とのギャップに悩む姉妹三人の会話劇が始まる。
キャスト
ハル/郡谷奈穂
カオル/ 松村来夢
ユメ/久保まり
以下:雑感
好きなことをしっかり詰め込めてるな。と感じました。
テーマ、装置、脚本、衣装、映像演出、その他。全てに「これが好き!」「こういう風にしたい!」が詰まっているようで好感が持てました。
この”好き”をちゃんと表現できるのって実は結構難しいので。
偉そうな物言いですが、表に出てる以上の努力が感じられます。
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舞台は甘棠館劇場の舞台に実家のリビング。
奥にハンガーラック。板張りのステージにカーペット。真ん中に脚の長いテーブル。などなど。
デザインとしては”古着屋さん”みたいな部屋でした。カワイイ部屋だ。
衣装もそれに合わせて、みんな古着屋さんの店員さんみたいでした。
それぞれ赤・青・黄色と分けていて、個人だけでなく引きで舞台を見た時のバランスも考えられていて
しっかり自分たちで自分たちの演劇を見れてる。
そして何より似合っていてカワイイかったです。
ルッキズムが取り沙汰されがちな昨今、余り言及するものではないかもしれませんが
キャストのビジュアルが良いのは、まずもって何よりも”良い”ですね。御三方それぞれに溌剌としたエネルギーを感じました。
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タイトルの「キャベツ」からは想像もつかない内容でした。
しかしなんだかそれが不思議なリアリティを出しているような気がして。じっと観てしまいました。
本当に、日常のレールの切り替えって前触れもない小さな出来事がきっかけになったりしますよね。
作者さんの体験談だったりするんでしょうか。
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なんとなく。今の彼女たちにしか、今の彼女たちだから作れた等身大の演劇だったような気がします。
これがおそらく昨年度の末ごろに演じたものでしょうから、今の皆さんがどういった道筋を辿っていらっしゃるのかわかりませんが。
「今この時」の自分たちの演劇をしっかり作れている。
そういう意味でも見応えがありました。
この先歳を経るにしたがって、その時だけのおちゃめインパクトが観られると思うと楽しみになります。
特にカオル役の松村来夢さんは、4月に「ミモココロモ」を観劇した時から推し俳優なのでこの先もかなり注目しております。
今回初見ですが、俳優さん御三方ともに素敵な魅力を感じました。
この先の福岡、といわず日本の演劇シーンに大きなインパクトを残していただきたい!!
コロナで難しいかもしれませんが、次は長編を観たい。また観たいと思わせてくれる演劇でした。