作:川津羊太郎 演出:村上差斗志
会場:ぽんプラザホール
チケット料金:1,000円 ~ 2,500円
上演時間:約100分
公演の説明
九州の劇作家・川津羊太郎 × 村上差斗志(FOURTEEN PLUS 14+)
上演時間約100分!疾風怒濤の完全新作一人芝居!!
あらすじ
恋人との初めての温泉旅行に気分はウキウキ…のはずだったのに!当日の朝いきなり別れを切り出されてしまった男。
一体なぜ!?フラれた理由にまったく心当たり…ある!
傷心の男は、宿のキャンセル料を払うのをイヤがるあまり、一人で温泉旅行へ。
しかしそれは奇想天外な一日の始まりに過ぎなかった。
電車も止まりゃナマズも浮くし婆ァも嗤えば猿も飛ぶ。
これはまさにそんな奇特な〈今日〉を迎えた男の、一日の(或いは半生の)アンプラグドな物語。
こんな日は、誰にだって訪れる。
『幸せはアンプラグド』
キャスト
村上差斗志
以下:雑感
見応えたっぷりの、あっという間の100分間でした。とてもおもしろかった。
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舞台はぽんプラザホール。
せり出しの客席は半分の60席くらい。
平台でちょっと上がった舞台とリノリウム三本分くらいのアクティング。暗幕も使って全体的に黒いイメージ。
装置が結構多くて、パッと見かなり混沌としてました。
舞台上手にホワイトボードくらいの大きさの白いスクリーン。その手前にパイプ椅子2つ。
スクリーンの脇には裸のマネキン。
下手奥に赤い布のかかったテーブル。
センター奥にはフラフープに布のかかったアレ。あのー着替えるやつ。
なんとなく「マジックショーでも始まるのかな?」くらいの雰囲気を感じます。
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いい具合の散らかり具合の劇空間に、入って早々ワクワクした私です。
いざ芝居が始まった瞬間「あ、もうコレ面白いやつだ」となりました。だっていきなりパンイチの男が電飾絡ませて出てきたらもう抗えなくないですか?私はムリでした。
結局中身もいい具合に狂っててソワソワした安心感があり(?)
100分の一人芝居、最後まで途切れずに楽しめました。ありがとうございます。
コメディの鉄則は“登場人物が真剣であること”だと何かで読みました。
状況を解決しようと必死になる様が面白いと。
そう考えるとお手本みたいだコメディだったのかなーなんて。
そんなわちゃわちゃカオスなストーリーの中にも真剣なテーマが盛り込んであって、終わってから結構考えてしまいました。プラグドアンプラグド。
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途中”電力電太郎”が出た時は、短編集的な感じなのかと思いきや
しっかり本筋に回収していって、鮮やかな構成でした。
脚本の川津さん恥ずかしながら初めてお聞きしたんですが、素晴らしい脚本構成力。演劇でホラーもできるなんて。
一人芝居の語りだったからでしょうか。聞いてるうちに情景が浮かんできて
なんだか小説を読んでるような感覚になりました。
これは演者の効果なのか。脚本の効果なのか。
沢山笑わせて怖がらせて考えさせてくれる、濃密な楽しい観劇でした。
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装置や衣装、映像にいたるまで沢山の方が協力していて、
いや演劇作る上で普通っちゃ普通のことなんですが
なんだか皆さんとても誇らしげに見えて
Twitterでの座組の様子や本番を見る感じ、とても雰囲気のよい集団だったんだなと。
村上さんの人柄まで見えてくるようで、見てて気持ちよかったです。
二回目・三回目とどんどんやってほしいと思う反面、あの100分を気軽に求めるのは中々恐れ多いなと思う。
複雑な演劇ファン心理。