観劇・感想

観劇感想:大橋ソレナ学園高校演劇部「疾走ハムレット」

作/演出:到生 原作:ウィリアム・シェイクスピア
会場:甘棠館Show劇場
チケット料金:500~2.000円
上演時間:約50分

公演の説明
福岡の高校演劇部有志たちによる合同演劇団体”大橋ソレナ学園高校演劇部”の三作目。
ウィリアム・シェイクスピア「ハムレット」に挑戦します。
あらすじ
王の息子ハムレットが、王の座を奪った叔父(クローディアス)に復讐するという物語。
その叔父ってのがひどいやつで、王であるハムレットの父親を殺して、自分が王座についたばかりか、先王の妻であるハムレットの母親を(ガートルード)を自分の后にしてしまう。
いくら中世のデンマークだといっても、こんなのありかよって話。
ハムレットは「生きるべきか、死ぬべきか、、それが問題だ」って言って、復讐するべきかどうかに悩むってお話。
詳しいあらすじは、ぐぐってみてね。
そんな原作のあらすじを、大胆に書き換えます!!
時は現代、場所は大橋ソレナ学園高校演劇部。福岡の高校生の合同公演!!シェイクスピアの原作を知っていても知らなくても楽しめる。そんな舞台です。お楽しみに!!

キャスト
3年 三浦理音/白瀧姫翠
2年 張智恵/山口華稟/藤原吏輝/石橋朋実
1年 金田莉音/千住知世

以下:雑感

今回もよかった。若さオンリーの真剣さに元気がもらえます。

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大橋ソレナ学園高校陸上部。全中陸上2位の好成績を残し、「北中のハムレット」の異名を持つ高校一年生・赤西公子(あかにしきみこ)。入学前、幽霊の声がすると噂や体育倉庫に赴いた公子はそこで喋るスニーカーを発見する。なんとそのスニーカーは行方不明の父・総一郎だった!

呪いでスニーカーに変えられたという父を元に戻すためソレナ学園陸上部に入部する公子。無事父を元に戻すことはできるのか?

みたいな。

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甘棠館show劇場。黒一色のシンプルな舞台。奥に一尺くらいの高さの小上がりがハケ口まである。パンチも真っ黒。

灯りは過剰と言ってもいいくらいギラギラ。ZIG.ZAG.BITEの到生さんの演出。既に特徴が出ている。

開幕小上がりの上、センターに赤いスニーカーがぽつんと。

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うーん元気。フレッシュ感を煮詰めてぶつけてきたような演劇でした。

基本的に役者の身体で全部こなそうとする姿勢に好感が持てます。これは「カミカゼバイト」でもそうでしたね。

小演劇!って感じ。シャツぱたぱたの突風とか好きです。

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“スニーカーお父さん”のビジュアルとか抜群でしたね。出オチに近いが。

こう書くと教育テレビのキャラみたいだ。

俳優陣の中では主演の山口華稟さんがよかったですね。声もビジュアルも座組みの中では目を引きました。芯に立つのも納得。

来年はどうされるんでしょうね。演劇続けてもらいたいものです。

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しかし前作に比べ全体的にパワー不足な気がしました。

続投組も何人かいましたが、やはりZIG.ZAG.BITEの八坂さんやガラパの千代田さんのように特に魅力的だった俳優たちが世代交代で抜けたのは大きいようです。

上手く繋がって、また求心力を持ったスターが現れてくれるといいですね。

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元気・エネルギー・フレッシュ感・熱量。あるのはわかるんですが、それを上手く伝える技術がまだないように感じました。今回は特にその点顕著だったように思います。

演出のスピードについていけず、会話が”ただタイミングよく台詞を出してる”だけの俳優さんが多かった印象です。

これからどんどん鍛えていって、技術が熱量に追いついた時幾人かは化けるのかな?そんな兆しは見えましたが。

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脚本。ハムレット要素がスタートと人物配置くらいしか見受けられなかったのが、ハムレット好きなのでちょっと残念でした。

しかし確かにあの分量を丸々纏めるのは難しそう。到生さんのテイストと古典の組み合わせは何か一つ化学反応が起きそうな予感もありますし。シェイクスピア原作の長編にもいつかチャレンジしてくれたら是非観に行きたい。

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高校生の演劇。それも部活とはまた違うチームでの演劇。この企画もコロナにも負けずに今年で三回目。

長く続いてほしいと本当に思います。

演劇界隈に常に新しい風を吹かせていってほしいものです。

しかしながら高校生活の中の1ページ。参加メンバーがそれぞれ今後楽しく健全に人生を送れますよう。演劇がその手助けになると言うことないですね。

来年も観に行きます。