2022年製作/107分/R15+/アメリカ
原題:The Menu
配給:ディズニー 公式サイト
以下、雑感
とても味わい深い、面白い映画だった。おもしろかった~~!言葉を使い過ぎない、演技演出で心情や立ち位置を伝えてくる作りで楽しい。説明されるよりこうして気づかせてくれる方がより気持ちいいですね。音楽の力かテンポがいいのか、ホントに最後まで集中が待ったく途切れななかった。キャラや美術のビジュアルも素敵。何より最後の逆転がホントにクールでハートフルでカッコいい!根柢に残ってる情が決め手になるのも最高。正直導入から勢いで押し進められた感もありますがいい映画鑑賞でした!
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とにかくアニャ・テイラージョイが超クールだった。開幕から煙草に火をつけるカッコいい絵面から。もう見ちゃうよね。
あの切れ長のクールな印象とは裏腹に今回のお客の中で一番熱いハート持ってるマーゴが最高。応援したくなる主人公。ラストの反撃の「パンッ!」もカッコ良すぎる。そして見事に敵の弱点である大事なところを突いた機転。構成がうますぎる。復讐の根幹だからあそこで逃さなかったら全部否定してしまうことになりますもんね。チグハグっぽい行動ですが納得の出来る描写でした。
ラストの喰いっぷりも抜群。大事に大事に象徴的に扱われていた”メニュー”を口を拭いて捨てる。クールすぎる。カッコいいぜ。
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フルコースもどれも美しく、美味しそう。調理工程も見てて楽しい。一糸乱れぬ所作が狂気と愛情を感じさせます。そして恐ろしさも。機械的な挙動が怖いですねぇ。この復讐にかけるエネルギーと執念が感じさせます。スタッフたちの一体感と心酔っぷりがすごい。完成されつくした動きはそれだけで怖さも感じますね。
最初の死亡シーンもマジでびっくりした。ここまでさせる彼らの過去もちゃんと見てみたくなります。でも「混乱」以降はいつ”次”が来るのかずっとハラハラして落ち着かなかった。見事に術中にはめられてました。最高。
ただ傍目にはイカれた復讐マシーンに見えるシェフでしたが物語が進行して客たちの内情が判るにつれ、共感してしまう。みんながみんな人間のエゴが強い。でもちょっと殺すまでする?くらいの塩梅なのが、逆にシェフの心にぶっ刺さってるんだなというのが感じられてよかった。
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説明が少なく、描写や芝居で見せてくる作りがよかったなぁ。キャラ説明がなかったのもそうですけど、最初ちょっとずつしか飲んでなかった奥さんが旦那の浮気疑いが出た途端煽るように飲み干したりとか。心情変化がわかりやすくてよき。
タイラーは最期何言われたんでしょうね。自殺するほどのこと。そこまでのイカレ心酔っぷりといじめクッキングの後だとやむなしだろうか。
めちゃくちゃ嫌なハッピーバースデーでしたね。ケーキが美味そうなのもまた…。
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作中でも言われていたけど、全員一丸で反撃に出たりパニックになったりしなかったのはなんか物語の都合かなぁとも感じました。数の差があったとはいえそこは腑に落ちなかったかな。心理的にわからなくもなくもない。けど…。みたいな。最初から結構勢いで押された感は確かにあります。早めにチャンネル切り替えられたので私は最後まで楽しめましたが微妙な意見もそこそこ。それもわかる正直。
ホラー”コメディ”だったのかコレ。スリラーかと思ってた。
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美術や音楽もよかった。まともなら是非行ってみたいレストラン。ゲームとかに出来そうあの島。
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構成やキャラ性、ストーリーも美術も演出も好きでした。一瞬も飽きなかった。テンポも音楽もいい。決め手が「愛」だったのも個人的には超グッド。
チーズバーガー食べたい!!!!