会場:ハコ町屋
チケット料金:1,000~2,000円
上演時間:約80分
公演の説明
万能グローブガラパゴスダイナモスの新人たちによるユニット『爆烈★ひよこボックス』による初単独公演。箱崎の”ハコ町屋”で二本の短編が上演された。
会場は箱崎の「ハコビル・ハコ町屋」。フリースペースがあってフリマやヨガ教室などもやっている。舞台は10畳ほどの和室。今回は旅館だったりおじいちゃん家だったり。ぬいぐるみやお菓子など諸々たくさん置いてある。客席は座布団の桟敷で20くらいかな?前売り完売でパンパンでした。
一本目:「ふたりぼっこ」
作:渡吏深舟 演出:山﨑瑞穂
あらすじ
そこそこ名のある、いい感じのとある旅館。平日はきちんとOLをしている私は、仕事を持ち込みつつ羽を伸ばしにきていた。
部屋には私しかいないはずなのに、なぜか足音が……2人分。「座敷童が出る」という口コミは一応見てきたものの、まさか1部屋に2人も出てくるなんて。しかもめちゃくちゃうるさいし、お菓子食べてるし、かまってほしいオーラすごいし。とりあえず、パソコンの電源切るのはやめて‼
キャスト
千代田佑李 つじむらかほ 平川葵
以下:雑感
「「演劇」」って感じの演劇でした。あらすじにある通り、座敷童子が出ると評判の旅館の一室に訪れた女性のドタバタコメディ。一般人には姿の見えない2人の座敷童子はいつも通り好き放題お客を弄り倒そうとするが、実は女性には全部見えていて……。みたいな。
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ディテールが粗いような気がしました。設定も演技も出来事も。大雑把な喜び、楽しみ、怒り、怖さなどがハキハキ出てきてわかりやすい。し、楽しいけどもそれらが出てくる流れが適当というか。妖と人間の違いなのかなぁ。女性のパソコンカタカタとかも明らかに適当に打ってるだけで特になにもなし。「仕事してるという表現」ならいいんでしょうけど最低限ですね。他にも、観客的には”見えてない”はずの序盤の怪奇現象に対するリアクションとかもリアリティに欠けていたような印象。除霊アイテムとかも”低クオリティの演劇小道具”って感じ。客席との距離が激近い分、細かい生活・生理的動作など深めてくれたほうがよりのめり込めたんじゃないかなぁ。
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台詞回しやキャッチボールは達者だったような。流石ガラパの子会社ということでしょうか。創作のエネルギーを会話に大きく割いたんでしょうね。2本目も含めて同じ役者さんの色んな感情、キャラクターを見られたのはよかったです。
しかし高校生が書いたみたいなお話だったな。
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衣装が可愛かったです。
二本目:「から、ここから」
作/演出:山﨑瑞穂
あらすじ
私と日和が出会ったのは最寄りのコンビニのバックヤードで、彼女は今、私の家でずーっと窓の外を眺めている。
「あの夜さぁ」「うん」「足が痛くなるまで、明るくなるまで歩きながら話してたよね私たち」深夜のコンビニ、深夜のラジオ。深夜のアイス、深夜の…
一室から日和と詞葉の二人がお送りする、あの夜とこの夜のお話。
キャスト
千代田佑李 つじむらかほ
以下:雑感
面白かった。少々冗長に感じる部分もありましたが、二人の何気ない大切な日常が丁寧に描かれていて見ごたえがありました。千代田さんの方の主人公、若干の歪みが良い味出してました。良い塩梅のホラー感。正直いつひっくり返ってヤバいことになるのかドキドキしてましたがハッピーに終わって良かった。
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しかしもしホラー方向に進んでたら評価めちゃ変わっただろうな。山﨑瑞穂さん。ガラパ本編では正直あまり注目してませんでしたがとても素敵なお話を書かれますね。もっと観てみたくなりました。
段々打ち解けていって、最初ツンツンしてた方がより愛(?)がふかくなっちゃう感じ。すげえ好き。
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窓開いてたのは寒かったけど換気も兼ねてたんですかね。お上手です。
謎解き要素が出てきたのはガラパの系譜ですかね。
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すごくあたたかい空間でゆったり観れました。客席もあたたかくとても良い旗揚げ公演だったのではないでしょうか。この先ひよこの大きな飛躍を楽しみにしてます。ガラパ本編で観る日も。いい観劇でした。