観劇・感想

観劇感想:ナシカ座カムバック公演 vol.1「バックヤード・マーチ」

作/演出:内田好政
会場:ぽんプラザホール
チケット料金:2,500円 ~ 4,000円
上演時間:約100分

公演の説明
福岡の演劇プロデュース団体”ナシカ座”の旗揚げ公演の再演。
あらすじ
小さな町にある昔ながらのスーパーを営む川北トオルと、その妹の川北もも。お人好しですぐに何でも信じてしまうトオルにいつも振り回されるももだが、今回は過去最悪!お店の存続がかかったトラブルに巻き込まれてしまう。。個性派揃いの従業員達と共になんとか解決しようと奮闘するもなかなか上手くいかず。。果たして川北兄妹はスーパーを守り抜く事が出来るのか?信じていれば幸せは訪れるのか?
※公式ttwitterより
キャスト
中野勇助 山口まりの 星出篤哉 大幡華子 馬込博史 花岡昊芽 村野太星 粋華 Kz 涼乃 安冨大吾 鈴木永遠 藤川心南 田中耀大 有森楓 安武風花 しょーま ひぐちいつ葉 有定千裕 愛宮えま 海江田健次 

以下:雑感

つまらないうえに薄っぺらい話だったな。テーマはまあわかるんだが、そこを描く登場人物がなんとも。“旗揚げ公演の再演”ということで気合い入ってるんじゃないかとある程度期待を寄せて観にいったんですが拍子抜け。キャストも満遍なく未熟だし、演出も前に見た番外公演から何も洗練されていない。演出から「この演目を面白くしよう」みたいな熱が全く感じられなかった。観客動員は相変わらず上々のようですがクオリティがさっぱり伴いませんね。若いキャスト陣がもれなく全力なのは唯一良かったです。スベッてましたけど。

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ぽんプラザ。舞台はスーパーのバックヤード。応接間も兼ねてるのかな。結構建て込んでいるように見えるが細かいところが甘い気がする。随所に「まぁいいか」が窺えた。印象的で必要なアイテムだけ揃えた感じだ。

床面はグレーのリノリウム。壁上半分がクリーム色、下半分がグレー。シモ手奥にハケ口。壁ドンでデスクが二つ。センターにソファと茶色のテーブル。カミ手にはホワイトボードと長机。掃除用具や脚立、細々した雑貨が雑然と置いてある。壁にも色々と貼ってある。統一性は一見して見受けられない。

総じて舞台装置そんなにこだわりは無さそうだ。

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満席近い。特にアナウンス無く開演時間越えたな。上演中に関係者や遅れ客もズカズカ入ってくるし、歴は長いようだが演目同様制作面も特に洗練されていないようだ。

そもプロデュース公演でダブルキャスト。休演中のチームに受付とか場内とか任せるのってどうなんだ?よくあることなのだろうか。演者が納得していればいいことだろうか。

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とかく「リアリティ」が無い。ていうか演出がやる気ないですねこれ。

俳優全員下手くそなのはとりあえずは置いておくとして。吐くセリフが全部ペラくて…。脚本たくさん読んだんでしょうね。そこから抜け出せていない。目の前の人間を誰も見てないから気持ち悪いですねぇ。声だけ色がついてて身体だけその通り動いてないんですよみんな。一番顕著だったのが包丁持ってる妹をみんなで止めるところ。漫画じゃないんだから止まってたらダメだろ。何も考えずに演劇作ってるからああなるんですよ。ものすごく寒かったあの場面。ごっこ遊びを本当にやらないとダメだろ大人の演劇は。

そういう板の上の“なま”の出来事を誰も感じ取れてないから全部のボケやギャグも見事に滑ってる。マジの意味で「空気読んで」くれ。誰も何も感じ取れてない。恐らく決まってる段取りを大きな声でなぞってるだけ。芝居をしてくれよ。

でもちょっと外から調節するだけで全部爆笑にできたはずなんですよ素人が見ても。演出が手抜きか節穴かのどっちかですね。若い俳優さんたちは全力で真剣に望んでたようにも思いました。その分イタくて哀れですが。

そして舞台装置。やる気が無え〜〜〜〜。“ガワ“だけ整えるでもいいんですけどスカスカの中身悟らせないでくれよ…。全部嘘すぎる。何年目の店なのか知らんけど掃除用具丸出し置きっぱだし、デスクの引き出し空っぽだし。2年前に両親亡くなって継いで物の場所わからん店長。カミ手奥の雑貨類マジで一回も触らなかったな。とかとか…。

暗転多すぎる。しかもほぼ意味がねえし一回一回が長い。

最初の万引きから何日経ってるんだ??スーパーの人たち全然着替えなかったな。汚ねえ。金融の人が最後だけスーツ着てきたのも謎だし。何回暗転明けても初日のコアラのマーチずっっっと机に置きっぱ。なんでそのへん気にせずにいられるんだ????????何も考えずに演劇作ってるのか?????興味を持てよ自分たちの世界によ。

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終幕のキレも悪いなぁ〜〜〜。終わる時は終われ。告白蛇足だろどう考えても。あんなに引っ張るなよ。

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各キャラも漫画みたいな性格と行動で見ていてきつい。虚構性の高いキャラこそ、上記のような生きたキャッチボールをしないと見てられない。下手なコスプレ芝居。言わずもがな主に探偵の事ですが。

主人公が一番酷いけど。お人好し通り越してただの馬鹿だし。たった2年前に死んだ両親から受け継いだばかりの大事な店もっと大事にしなよマジで。マジで!!!!妹もよ!

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靴紐のくだり本筋と関係なくない?Aimerを2回も流すな。

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総じて。よくこれ再演しようと思ったなホント。もうちょっとなんとかできたでしょ。粗すごいぞ。5年目の粗じゃないぞ。

しかし見方を変えれば、このローカロリー興行でこれだけ人集められたらコスパ最強ですね。

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自分が集めた座組を高校野球だなんて称して雑さに理由づけしてるのも気に入らないな。若手を集めたのも自分たちならそれでプロ野球を目指すのが演出なんじゃないのか。

毎度集められるキャストたちは、このスカスカの芝居に出てこの先はどこへ向かうのだろう。過去の出演者を見るに今ではバリバリ活動している方々もいらっしゃるようですが。いや、いち観客がとやかく言及することではないですね。

福岡のチケット平均値は上がってきている。それは確かに喜ばしい事ですがクオリティの方が全然追いついてきてないですねこの土地の演劇。ホントに集客だけ得意でつまらん団体が多いこと。(いや集客得意なのは絶対的な強みですが)その集めたお客さんはちゃんと捕まえられてるんだろうか。

最悪な事書きますが、鑑賞側の見る目が全然育たないのでいっぱい呼ぶなら相応の出来栄えを持ってきて欲しい。この低クオリティにやってる側が気づいてない訳ないじゃないですか。作り手も観る側も。関係者でちゃんとダメ出し出す人間はいないのか?東京行ってこれ観せるのキツくね????

観客もSNSで甘々の感想しか出さないから何年も“この程度”なんじゃないでしょうか。私の感想が絶対とは絶対に思いませんがもう少しなんとかならないのか。この忖度はどこの土地でも一緒ですかね。

いつも勝手な事ばかり書いてしまいますが、地元の演劇は上等であってほしい。5年続けてこのクオリティなら色々考え直してほしいし、続けるなら面白くあってくれ。ホントに。もはや悲しい。

半額でも高い。