作/演出:高野桂子 音楽:五島真澄
作/演出:高野桂子 音楽:五島真澄
会場:三股町立文化会館/日田市民文化会館「パトリア日田」
チケット料金:500~2,500円
上演時間:約100分
公演の説明
PUYEYのツアー公演。劇トツなどで大好評を博した「おんたろうズ」を宮﨑・大分の2ヶ所で巡演を行った。
あらすじ
ほんとうの声を出すのです。人間のネガティブエネルギーを下げるためにおんたろうが降り立った場所は…小学校?! ※公式サイトより
キャスト
高野桂子 五島真澄 隠塚詩織 松永檀 森川松洋 森唯美
以下:雑感
ほっこりしっとりよかった。完成度が高いですよねーやはり。教育テレビの連続ドラマとかでありそうな内容で悪い人(役)がいない、優しい心持ちになれるお話でした。
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パトリア日田小ホール。北九州芸劇の小劇場くらいの大きさ。舞台はどこかの小学校。とか。
床面はグレーパンチ。黒幕でプロセっぽくなっててザ・劇場って感じ。好き。天井からは白いネットがハンモックのように吊り下げられている。舞台上は白やグレーの色味で基本的にまとめられていて、小タンスくらいの大きさの箱や椅子(?)がたくさん置かれている。奥の方は段になっていて、天井のネットと同じものが被せられている。ネットが被っているものは裸の物もある。
パッと見なにかの倉庫みたいな印象。箱が場面ごとに動いて机になったりいろいろ。シンプルでわかりやすいシーン切り替え。
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劇トツで拝見してから追いかけてきました。まず”おんたろう”たちがカワイイ。つかみバッチリ。
人間たちもおんたろうたちもみんなどこかカワイイですね。生っぽい職場の悩みや子供たちとのやりとりが微笑ましい。子供たちのリアクションを全部効果音で表現してきたのは斬新で面白かった。
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やっぱり劇トツの時と同様、おんたろうの入れ替わりパートは鉄板で面白い。そのほか笑いの弾がどれもクスクスっとくる。
舞台セットや衣装や仕草も全部、細部まで作り手の意志が反映されてるように見えて、全体のライトさよりも濃いエネルギーが出てる気がして好きです。なに言ってるのか伝わらないかもしれませんが…
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しかし正直劇トツの短編の時の方が面白かったな。前回は悪役(かたき役?)がいたのでネガティブ解消にも爽快感というか、カタルシスのようなものがあってすごくスッキリ観終われたんですが。
今回は”問題”はあれどキャラクターたちはそれぞれに悩んでいて悪い人はいない。そのせいか前回のような爽快感は薄かった。その分登場人物たちの一体感みたいなものが高まってほっこり感は増した気がする。
また、テンポ感がゆるくて冗長に感じた部分もある。前半の丁寧な起~承のパートは正直ちょっとタルかった。その分主人公たちの変化がしっかり際立ってみんなのことを好きになれたけれど、短編の時のスピード感でゴールしてくれたほうが満足感高かったかもしれない。
369のマニュアル喪失→からのトラブルは思ってたより大事には感じられず物語的にあまり刺激にはならなかったような。この世界であんまりえぐい事起きても引いちゃうかもだが。
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ふと。
おんたろうたち自身にはネガティブエネルギーはたまらないのかな。ためこんでしまったらどうなるんだろうか。
おんたろう間で競争の概念があって、369は負けてるのを恥と思ってごまかしたりもするし。意外とため込んでしまう個体もいたりするのかな。その場合はだれがおんたろうたちを助けるんだろう。「100%」になっちゃったりしたおんたろうはどうなるんだろう。そんなパターンはあったりするのかしら。
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とにかく完成度が高い安定したクオリティがあります。まだまだおんたろうたちの活躍も観てみたいし、また別の物語も観てみたい。PUYEYの世界観安心して子供も連れていける気がします。これからも楽しみにしています。