映画・感想

映画感想:「ゴールデンカムイ」

2024年製作/128分/PG12/日本
配給:東宝

あらすじ
舞台は気高き北の大地・北海道、時代は、激動の明治末期―。日露戦争においてもっとも過酷な戦場となった二〇三高地をはじめ、その鬼神のごとき戦いぶりに「不死身の杉元」と異名を付けられた元軍人・杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく、北海道で砂金採りに明け暮れていた。 そこで杉元は、アイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。金塊を奪った男「のっぺら坊」は、捕まる直前に金塊をとある場所に隠し、そのありかを記した刺青を24人の囚人の身体に彫り、彼らを脱獄させた。囚人の刺青は全員で一つの暗号になるという。そんな折、野生のヒグマの襲撃を受けた杉元を、ひとりのアイヌの少女が救う。「アシㇼパ」という名の少女は、金塊を奪った男に父親を殺されていた。金塊を追う杉元と、父の仇を討ちたいアシㇼパは、行動を共にすることに。同じく金塊を狙うのは、大日本帝国陸軍「第七師団」の鶴見篤四郎中尉。日露戦争で命を懸けて戦いながらも報われなかった師団員のため、北海道征服を目論んでおり、金塊をその軍資金代わりに必要としていた。そして、もう一人、戊辰戦争で戦死したとされていた新撰組の「鬼の副長」こと土方歳三が脱獄囚の中におり、かつての盟友・永倉新八と合流し、自らの野望実現のため、金塊を追い求めていた。
公式サイトより

以下雑感

大変満足!原作調理がすごく上手い映画化。心配してたコスプレ感も始まれば気にならず(牛山のハンペンはあれだが)のめり込んで観てました。ここは実写でどうすんだろ?というところもしっかり漫画通りで逆に驚くことしばしば。映画全体から原作リスペクトをビンビン感じました。映画「ゴールデンカムイ」面白かったです!全部作ってくれ~~~!!!

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いやぁ~~~大変良かったホントに。203高地からもうビンビンに気合入ってるの伝わってきて掴まれてしまった。

開幕からナレーション津田健次郎・・・!!尾形!!映画のナレーションの人選がもう嬉しい。立木さんのままでもよかろうに。なんか嬉しくなっちゃった。
キャラ再現度も高いな。公開前から突っ込まれてた「衣装きれいすぎるだろ」問題。始まってみれば特に違和感もなくすっと溶け込んできてきてくれて気にならなくなりました。各キャラの再現度が高いのなんの。ていうかメイン級だけじゃなくて第七師団の面々とかまで可能な限り気合いれて寄せていってますよね。衣装などだけじゃなく、細かい表情とかも、自分が漫画から受け取った印象がほぼあの画面の中であらわされていて、もう凄い嬉しかった。「ああ、これ『ゴールデンカムイ』だ」結構な人がこれ思ったんじゃないでしょうか。漫画実写化の際はいつも思い出すんですが、「るろ剣」実写化の際にパンフで読んだ”忠実よりも誠実な実写化”という言葉。原作に対する誠実さ、リスペクトを感じました。もちろん生の人間が演ずるのあたってアジャストしてきてるなと感じた部分もありますが、私は気にならなかったな。

シーンの再構成?取捨選択が上手かったですよね。違和感や矛盾を最小限に、映画の尺の中に納まってました。「あ~こんなIFもあったかもな」って感じで新鮮でした。初っ端から白石が二人セットで捕まる所とか。そして実写で生の人間に演じられると威力マシマシになるパートが多すぎる。原作の地力ゆえか。特に梅ちゃん周りがエグかった。原作だと後ろから声掛けるかたちだったけど、あんな胸元の手が届くところまで密着されてからの
「あなただれ?」は無理過ぎる。あれは杉元もそうだけど脇で見てる女中さんも居たたまれねぇ~~~~。寅二でパンチ食らってんのにこれは無理じゃろ。観てるこっちの胸が詰まるわ。杉元もなぁ~~ていうか山﨑賢人さんの芝居か。グッと言葉飲み込んでる感がもう辛いよ。ホントキャストよかった。しかしこれからどうするんだろう。確実に長く続くだろうし(続いてくれ)、山﨑賢人は「キングダム」もその他もあるだろうしどんな人生になるのか。夏キングダム撮って冬カムイ撮るのか。壮絶。

やっぱり初見勢、というか今の観劇者にも「わかりやすく」撮ってるなってすごくわかった。見やすい映画だった。嬉しい。

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ヒグマが怖すぎるだろ!!!!びっくりしたわ。モンスター映画も撮れるんじゃないかこのチーム。あのいきなりいる感じスゲー怖いし、漫画で見た「次のコマでもういる」感がすごい出てた。良すぎたな。これもまた実写でどうするんだろの部分だったけど完全に越えてきたな。CGの違和感ってここまでナチュラルになってるんだなぁ今の邦画。
レタラの演技もカワイイし。動物全般文句なしだった。デカいし怖いし小さくてかわいくて美味そうだった。ヒンナ。この先も楽しみだ。
エンドロールの一文には笑ったw

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細かいところ。
・しっかり遊女にツバ吐かれてる白石に笑ってしまったw
・チタタプって言うのアシㇼパさん家だけなんだ!?
・牛山の遊女ブーメラン、マジでやるとは思わなんだ。あれはやってほしいけど無理だろな~だったからすごい。気合を感じた
・レタラがちゃんと「カッ!」ってやってて可愛い。原作のここだけはいるやろ!って部分を逃さず摘み入れてくれるのなんか嬉しいな。こういう細かいエッセンスが金カムらしさかも。
・あのビンヨヨ~~~ンってなる楽器、ああいう音なんだな。映像化のいいところ。
・白石がマジ白石。しかし背中のガッチリムキムキさにびっくりした。
・尾形がマジ尾形。そして初期尾形だった。ここからだんだんセクシー荒み上等兵になっていくのか。
・小熊可愛すぎる

ソリバトル。映画の見せ場の都合で改変たくさんあったけどアツかった〜〜。しかしあの序盤で月島相手だと逃げられんだろ!と思ってしまった。行けたけど。やっぱり走行中のバトルは否が応でも盛り上がる。アシㇼパの狙撃はないのかと思ったけどより劇的に被せてきてシビれた。映画だ〜〜〜〜。カッコよすぎる。二階堂

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ラストカット。ズルむけでもしっかり「井浦新とわかる」顔立ちであんぐりしてしまった。これは造形さん?メイクさん?がすごいのかな。すごい。全員そうだけどキャスティングがいい。アチャの美しく底知れない感じが出てる〜〜。そしてちゃんと親子だとわかる画。素敵だ。

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ラストのボスラッシュみたいな次回登場キャラの顔見せ。いやがおうにもワクワクしちゃう。順番若干前後してるけど、次回は二瓶から入るのかな。今回は薄かった谷垣の活躍も期待。そして今全話無料なの最高だな。復習して「2」も待ちます!!

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いや待て。めっちゃ良かったけど、今作はまだシリアスバトルハードボイル路線が強いシーンばかり出ていたけど、この先変態囚人も顔芸もエピソードもずっと連なっているが大丈夫か?この顔面強者たちでラッコ鍋とかすんのか??するよなこの製作陣は。やってくれると信じられる作りだった。次辺見さんは出てくるぽいけどあの辺から杉元も色々出てくるけど山﨑賢人の「煌めこうか」とか聞けるんかいな。楽しみよりもハラハラが勝つな。江渡貝くんとか姉畑先生とか親分たちとか。書ききらんか。しかし絶対上手い事やってくれるはずだ!「2」を待つ!!!!!!