2024年製作/128分/G/日本
配給:東宝
あらすじ
ブラックフライデー前夜、届いた荷物は爆弾だった――日本中を震撼させる4日間。11 月、流通業界最大のイベントのひとつ“ブラックフライデー”の前夜、世界規模のショッピングサイトから配送された段ボール箱が爆発する事件が発生。やがてそれは日本中を恐怖に陥れる謎の連続爆破事件へと発展していく――。巨大物流倉庫のセンター長に着任したばかりの舟渡エレナ(満島ひかり)は、チームマネージャーの梨本孔(岡田将生)と共に、未曾有の事態の収拾にあたる。誰が、何のために爆弾を仕掛けたのか?残りの爆弾は幾つで、今どこにあるのか?決して止めることのできない現代社会の生命線 ― 世界に張り巡らされたこの血管を止めずに、いかにして、連続爆破を止めることができるのか?すべての謎が解き明かされるとき、この世界の隠された姿が浮かび上がる。
※公式サイトより
以下、雑感
良きでした…。現代社会問題に切り込んだハイパーエンタメサスペンス。画面からくる情報密度が高い。「箱を開ける」のにマジでハラハラしてしまった。共感ポイントが多すぎてもはやどこが刺さったのかもわからん。現代人は便利に慣れすぎている。
お馴染みメンバーも盛りだくさん出番があって嬉しい悲鳴すぎる。何回も観てえー。し、観てほしい。あっという間の2時間。
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眠れるようになってよかったなぁエレナ。彼女が安心して眠れるようになるまでの物語だったのかな。この後の孔がどうなるのか心配でならんが。そして現実の日本でも眠れぬ日々を過ごしている人たちが山ほどいて、その人たちのおかげで成り立っている世界を私たちは意識することなく貪っている。ドキドキする映画だいろんな意味で。みんな心易くあれ…。
オーバーワークで崩れていく人たちの様がリアルで戦慄する。八木さん、阿部サダヲのパワーもあってか見入ってしまった。ボケーとベンチに寝そべって煙草吸ってしまったりしちゃうよね。哀愁があるとかで済ませられない味わい。そんな楽しめるシーンではないが。
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映画館で聞く米津強い。
「壊れていても構わないから傍にいてよ」
願いすぎる。なんでもいいから生きて一緒にいてほしかったよね。語るのも陳腐になってしまう。ずっとそれだけだよねホントはさ。
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“報い”っていうか。全てが繋がって人生は続いていくなぁーー、っていうのがこのユニバースから私が得ている一番の教訓なんですが。こんなさまざまなパターンあるのかよ。残酷であり、希望があり、報われたり報われなかったり。
ラストの洗濯機は泣かしにきよるわ。競争には負けてしまったけど、自分とこの製品がこんな形で人を救ってくれたのをみたらもう意味わからんくらい嬉しいだろうな佐野さん(宇野祥平さん)。
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”ファスト”と”ファウスト”はなんとも皮肉めいてるな。欲に侵されててそれでも尚「もっともっと」と求めることをやめない現代人。映画なんだけど、私たちを取り巻く生活のリアルを突き付けられてるような気がしてざわざわしますね。
爆弾魔の描写もそうだけど今の人たち、きっと私も含めて、モラルとか正義とか内面の尊いものよりも、物理的な対価やメリットデメリットにばかり関心がいっていてすごく冷めてる。爆弾作って捕まりかけてるのに罪悪感を感じさせない態度で、やったことよりもそっちのほうがこわくなってしまった。
でもそんな中でも人間の善性のようなものを守っていくことの大事さを突きつけられている気がする。私も正しく人生を戦っていけるだろうか。
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ていうかいたよね?バイク便の中にあの子。7話の。あ〜なんかすごい。誰一人取りこぼさないでいてくれてる…。すごく嬉しくなっちゃったな。ちゃんと生きてたんだ。
でもキューちゃんはどこ!?私たちの九重くんはどこなのよ〜〜〜〜!出世してる?続編で出てくるのか?来てくれ〜〜〜〜
刈谷さんと毛利さんとか。バディシャッフルも楽しい。しかも陣馬さんとコンビ組んでるのは~~~!?他にも書ききれんが、色んな人の「その先」が描かれていて、そして大好きな人たちと交わっているのがなんとも言えない気持ちになった。でもキューちゃんはどこだ…。
アンナチュ組も相変わらずで、中堂さんはじめなんだか憑き物が落ちたような雰囲気。六郎も立派に医者やってて凄い。親戚の人になった気分。
しかし404コンビはなんだ。なんか絆の温度が生々しくなってない?オタクだから勝手に察してる気になってるだけか?「伊吹を甘やかさないでください」じゃないんだよ。お前だお前だ。明らかに睦まじくなっている。
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続きがある?のか!?
結果ロッカーの文章の意味も不明なままだし(だよね?)、コウも五十嵐も意味深な雰囲気で締めるし。なにより中村倫也が目覚めないまま終わるわけなくない!?メタ視点だが。
このまま解決編連ドラになだれ込んでくれないかなぁ〜〜。スポットじゃなくホントに三作メンバー入り混じってくれたらもう感無量だ。まだ初日だし、これからの続報に薄ら期待して感想を漁ろう。
濃密で最高な映画でした。