作:木下半太・高梨由 演出:木下半太
会場:甘棠館Show劇場
チケット料金:3,500~4,000円
上演時間:約95分
公演の説明
サプライズメーカーPandAと天神ニコルソンズのコラボ公演。
あらすじ
巨額の借金を抱えた男女数名が一軒家に集められた。彼らの債務は、ここで一定期間家族として暮らすこと。見知らぬもの同士が「家族ごっこ」に慣れてきたある日、貸主から次なる命令が下った。失敗したら未来はない──────
※チラシより
キャスト
《Aチーム》長元流生 橋本あかね 十色恵理 百武直紀 佐藤元気 木本一成
《Bチーム》花岡昊芽 鶴田りさ 井上志帆子 高橋秀斗 中村豪志 前田繁之
《Cチーム》金子彩織 津山愛理 井口紀子 瀬上祐輝 山田だびんち 向野章太郎
以下:雑感
少し面白かった。軽妙な会話とイジり。「サンブンノイチ」が好きなので観にきたが…導入〜夏くらいまではワクワクして良かったが、オチへの繋がりが雑というかあやふやといか。舞台版がゆえのダイジェスト感?原作読んだら印象変わるのかな。
*****
甘棠館show劇場。板張り。舞台中央付近カミシモにダイニングテーブルが2つ。椅子が3脚ずつ。ツラ線にフットライトが並んでいる。奥壁は黒幕。簡素な舞台だ。劇中でも大きな転換は無し。
*****
導入はほんとにワクワクした。キャラと設定説明に時間かけ過ぎじゃね?とは思ったがナチュラルな掛け合いと内容も聞きやすく楽しい。ダーティなサスペンスを期待したが、どっちかというとドタバタコメディ色が強かった。ラストのネタバラシだけではシリアスに戻れなかったな自分は。3ヶ月ごとの描写であのオチまでいくにはターンが少なすぎたかもしれない。
肝心の”奥さんをオトす”瞬間も丸々描写されなかったし、メイン飛ばして裏ボス出されても「なんだってー!」ってならず。カタルシス足りなかったな。というか登場人物たちの危機感薄過ぎるように見えて進行するにつれてワクワクも薄れていった。2500万だぞ。全然人死に出る金額だろ。ヤクザに詰められてここにいるというのに。でもそこに危機感持たない人たちだから田中ごっこなんかやることになったとも言えるのか。
そもそもだが。めちゃくちゃ回りくどいよね「田中ごっこ」企画。人間の臓器ってどこがどういくらになるんだろ。一年の時間と資金とスタッフ四人かけて1億2千5百万回収できるのか?割が合わなくないか。嘘のリアリティが薄くて素直に飲み込めなかった。普通に全員沈めるか漁船にでも乗せたほうがよくないか。知らんけど。いっそ「カイジ」みたいなイカれ金持ち向けリアリティーショーやってましたの方がスッと入れた気もする。オジサンのボディは一年じゃよくならんだろう。
とはいえ田中をやめた後どうなるのかわからないけれど、出来るだけ幸あれ。と思うくらいにはいいキャラたちだった。そう思えたのも演者のパワーか。楽しい座組なんだろうなというのは伝わった。気がする。
*****
PandAが絡んでるのに劇中ノー暗転だった。全然見やすさが違う。とはいえ着替え待ちみたいな変な間を時折り感じてそこだけは逆に気になってしまった。
キャストさん。最近皆さん色々なところでお名前を見かける人ばかりで達者な方ばかりだったな。ナチュラルな会話。でもインスタントに作ったんだなという印象はあった。本番に間に合わせたというか。ところどころ浮ついてる感じ。3チームもあれば仕方ないか?イントネーション変な人いてちょっとしんどかったり。
*****
「鈴木ごっこ」は未読。小説ならバタバタに感じたオチもじっくり感じ取れるだろうか。読んでみようかな。