作:田坂哲郎
演出:木村佳南子
会場:ぽんプラザホール
チケット料金:1,500〜3,500円
上演時間:約90分
公演の説明
非・売れ線系ビーナスが2009年に上演した同タイトル作品のリメイク再演。
あらすじ
首都、東京から歩いて90日くらいのところに、その町はあった。その町には、千重穂家の三姉妹ここにありと恐れられた三人がいた。やがて、三姉妹というのは誤認で、実は五人姉妹だったことが発覚した。さらに、別腹でもう二人いることが分かり、波乗り船の音の良き七人姉妹ってどうなのこれって言ってるうちにもう二人現れた。そうして、千重穂の三姉妹は、大人の事情により二乗され、九人姉妹となったのだった。※チラシより
キャスト
あだな 田坂哲郎 风月 宮村耳々 村岡勇輔 柳暁子 ぽち 富田文子 にしむらまなみ

以下、雑感

すごく面白かった。変な姉妹のドタバタコメディかと思いきや、「家モノ」の怪奇ホラーだった。非売れのテンポのいい会話とおもろワードセンス、めちゃ上手ミュージカルで舞台も客席もハッピーな一体感が生まれていたところにあのオチ。光と闇のギャップが激しくて失明するかと思った。
父親を早めに仕留めたほうがいいかと思ったけど彼もまた被害者なのかもしれない。とても良い観劇でした。

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ぽんプラザホール。グレーパンチ敷き。庭に面した縁側みたいな足場が端から端まで。センター奥を頂点に「く」の字に延びている。
頭から爪先までの長さの白いキラキラの簾(もっと良い物言いがある気がする)が縁側の上に、これまた端から端までかかっている。
縁側のセンターには幅2mほどのチャコールっぽい大きな布が、バトンから床面まで提げられている。
縁側の下、舞台中央には茶色い丸テーブルと椅子が3。おしゃれカフェのテラス席みたい。
開場中、真ん中の大布にプロジェクターで日常の切り取りっぽい人物の写真がずっと流れている。披露宴のビデオみたい。ていうか全部青野大輔さんでは?
席は結構パンパン。すごい

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千重穂ってチェーホフか!さっぱり下調べをせずに行ったので気づかなかった。「三人姉妹」からインスパイアってことかしら?中身は全然違うが。モスクワくらい?
「チャプター」形式で進むのは映画みたい。タランティーノみ。100分って結構長いけど、個人的にはあっという間に終わった。このチャプター形式で時系列を行ったり来たりすることと、その転換をスムーズにこなす演出力、役者力によって集中力を切らさず飽きずに観られた。さすが。
一瞬灯りの効果もあって舞台上が白黒テレビみたいに見えた。演劇ってなんでも表現できるんだなぁ。面白い。
お歌パートも素敵。そういえばシュールなコンテンポラリーダンスもあったな。盛りだくさんでお腹いっぱいでございました。

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呪いというかホラーというか情念というか、の捉え方が好きだった。距離感かな?
確かに呪いの射程距離はあるよね。大気圏外も有効なのか否か。作品によるか。確か「リング」とかは新規感染させないどこに逃げてもダメだった気がする。
「蠱毒」によって生まれ損ねた魂が襲ってくるというのは、因果はどうなってるんだ?輪廻転生とかその辺のシステムが有効じゃないと成立しないよなーなどと。
あの呪符は九字切りなのかな?数えたら縦4の横5だったし。
私には無い視点が多くて面白かった。

九人目がフックなのはやられた!と思ったな。確かに自己紹介パートでは1人足りないなと思ったけど。あんな一見座敷童子ムーブをしている人が「怨」で動いてるとは思わんよ。

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複雑な縁で繋がった姉妹たち。ぶっきらぼうでわかりにくかったり、しっかり優しかったり。変な縁だけどちゃんと「家族」になろうと努力し合ってる感がよかったな。そしてそんな家から離れたがる理由も離れがたい理由もなんとなく読み取れて、気分は複雑だが、やりとりが生っぽくて納得感があった。おもしろい。
だがまぁ話の端々で出てくる傲慢さから鑑みてもこの一族は恨まれても仕方ないね。
最終的にはハッピーに最期もあったのだろうか。死に際は明かされたけど死に様はどうだったのやら。その過程は。想像が膨らみますね。

たくやはどうなったのだろうか。次女のことはみんなどう感じてたんだろう。

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歌が。素敵。素人の私は語る言葉を持ちませんが、明るく楽しく最高。絶対本筋には関係ないのにあるとないとで全然感想変わっただろうな。

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物語・美術・音楽・照明・音楽歌・芝居も演出も最高にマッチしていて最高だったな。そのまま映画にしてもめちゃめちゃ映像映えしそうなホラーだなと思いました。ぽんプラザでたった4回なんてもったいない。
もっと沢山の人に観てもらいたいなと、いち観客としても強く思います。とても面白かった。