観劇・感想

 観劇・感想 Sugarless『四則演算』

雑な芝居だった。

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ART THEATERかもめ座。地下の劇場でこじんまりとしてる。

先日行った眼科画廊よりは一回りくらい大きいかな。

座席は40~50くらい。間口はだいたい三間、たっぱは二間くらい?

はけ口は舞台奥上下に二つ。

真ん中にソファー、テーブル。上手奥に格子枠(ドア)。L字型の置物で固定はされていない。

どこかの地下室らしい。これがそのまま別の様々な部屋へ場転する。3、4パターンくらい?

舞台面両端に柵。間に一本チェーンを通して塞いである。開演と同時に空いて閉じて終演。

 

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とある男女が一つの家族を誘拐する。女は両親を地下室へ。男は一人娘を別の部屋へ。

序盤は軽いノリで一緒に地下室に閉じ込められかけたりしてたが普通に抜け出して、視点は両親サイドと娘サイドを行ったり来たり。

軽いノリのまま、途中インプロをはさみながら監禁継続。

主人公の過去に遡ってこの拉致監禁の目的が明かされていく。

 

誘拐犯二人組は孤児院の出身。主人公の女の父は借金まみれでやくざに売られそうになってて、借金を肩代わりすることになる。

どん底人生でも頑張ってバイトして暮らし。ある日、バイト先で知り合った女友達から実家に招かれる。

のこのこついて行ってみると、なんとビックリその子の母親はかつて自分を捨てた母親だった。

たたみかける不幸ラッシュに疲労していた主人公は友人と自分の人生を比較して考える。

あたしがこんだけマイナス人生送ってるのにお前は、

マイナス人生の原因である母親への復讐のために一家の誘拐を実行する。

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ざっくりこんな感じのお話かなぁ。

後半エンジンかかってきたような印象だったけど、客入れから中盤・設定からなんだか雑っていうか真剣にやってる気がしなくて観てて苦痛だった。

 

インプロ部分があった。

客入れの段階でお客さんにお題のアンケートをとっていた。劇中でそれをランダムに引き当て、書かれたキーワードに沿って演じる。という感じ。

正直なんでやった?ていう感想しかでてこない。  そりゃまぁインプロやりたかったからなんでしょうけども。

即興って雑にやっていいっていう意味じゃなかったと思うんだが、すげー適当で苦笑いするしかなかった。

 

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終盤この誘拐が主人公の復讐劇だっていうことが明らかになる。クライマックスではかなり沈み込んでいくんだけど、

「えっ、そんなに?」

って思って置いて行かれた感。

 

序盤閉じ込めた部屋のドアノブが取れちゃって、一緒に地下室に閉じ込められてしまう主人公。

コントみたいなノリで狼狽したり失禁したりしていたが何事もなかったようにノブを付け直して監禁続行。

 

この時のやりとりのせいで主人公の過去とか動機とかが軽くなってしまってもう駄目だった。自分のなかで出来事と動機の整合性が取れなくなってしまった。

人生の根幹に関わってくるような問題じゃねーのかよ。スカスカで気持ちが悪い。

 

一旦そう思うともう粗ばかりが気になってしまった。

”孤児院出身の借金まみれでやくざに目付けられてる貧乏人二人だけで一家三人拉致して餓死するまで監禁成功させる” って現実問題どうなのよ。どうやったの。

しかも監禁場所2か所。

なんでバイトなんだろうこの子達。特に時間取られる目的があったわけでなし。だいたい18歳くらいで孤児院出されるのわかってたでしょうに就職しときなさいよ。

お父さんの職場の人とか近所の人とか娘の友達とか警察いかんかったんか。

多分実父も養ってたと思うけどバイトだけでどうやったのマジで。

失禁とか監禁とかっていう尋常じゃない事態を軽くとらえすぎだろこいつら。

とか。

 

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こんな要素ほんとは気にした方が負けなんだろうけど、そこを無視できるほどのエネルギーがこの芝居からは感じられなかった。

ノリだけで書いたんだろうなぁ。

 

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序盤とラストの空気感というか世界観にギャップが大きすぎた。どちらかに揃えてもらえれば気にせずに観れたのかな。

 

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第0回公演ということだったがどういうコンセプトで集まった座組なんだろう。遊び感覚でこれからも2500円も取るんだったら正直たまったもんじゃない。