作/演出:上野友之
企画:富田文子
会場:なみきスクエア大練習室
チケット料金:1.200~5.000円
上演時間:約80分
公式サイト
公演の説明
「一人の20代女性が過ごす20歳から29歳までの十年間を、20代の女優十名で描き出す」というコンセプトで東京&大阪で繰り返し上演されてきた演劇作品、「IN HER TWENTIES」というシリーズ。
40代版「IN HER FORTIES」と共に福岡で上演される。「福岡きびる舞台芸術祭‐こ結び‐」の一つとして、同じく福岡の演劇団体「とみぃさんぷれぜんつ」の企画で上演される。
あらすじ
一人の40代女性が過ごす40歳から49歳までの十年間を、40代の女優十名で描き出す
キャスト
うらりーな 仲千恵 木下りさ 佐瀬恭代 佐藤恵美香
萩原あや 古賀今日子 五十里直子 富田文子 幸代
以下:雑感
微妙すぎる。俳優一人ひとりの役割というか責任というかを再認識させられた回だったな。
ひとり明らかに練習足りてないキャストがいて最悪でした。
大したミスじゃないんでしょうけど「20」から続いて期待値が高かっただけに致命的なノイズ。残念な公演でした。
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舞台はなみきスクエア大練習室。セットは「20」とほぼ変わらず、室内の三分の一ほどがアクティング。白いボックスだけ4つになってたかな。
客席はほぼ満席。
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物語は「20」から10年後。
30代のうちに結婚・出産まで経験した主人公は一人娘がいる一児の母。
地元に移り住んだり友人が亡くなったり、娘の反抗期や夫とのすれ違いなどまだまだ色々起こる中で自分の人生を豊かに過ごしていく。
50代もまだまだがんばりたい。いつでも今が一番若いですもんね。前向きになれる演劇だと思います。
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本来こんなこと言いたくない。なにせ芝居の内容とは関係ないので。
10人の中で1人平野ノラみたいなビジュアルの俳優さんがいたんですが、10人の中で1人だけ明らかにノレていない。
台詞を食うしテンポも悪いしで。序盤変な間がありましたが、あそこもしかして台詞トンでた?
あんなにベテランの俳優さんたちがいる中で一人だけあの感じで舞台にいるのが信じられない。
悲しいかな。年齢を重ねるとミスがあっても「未熟」とは見れないんですね。真面目に臨んでいたのかすら疑わしく見えてしまった。
最後だけちょっとおちゃらけシーンがありましたがそこまでの粗がデカすぎて全く笑えなかった。
楽しいとこだけ頑張った?そこだけえらく溌剌として見えました。
なんてもうフィルターかかっちゃってダメでした。
ビジュアルも1人だけ緑のメッシュが入っていて正直浮いていた。この物語はキャストの見た目はあまり意識しない方がいいんでしょうけども、ていうか別に気にならなかったんですけど、今回はなんかダメでした。起点となる49歳だし。
ここまでの流れでラストいきなり緑にするのか?あの10年過ごしてきてあんなはっちゃける?
いや全然いいんですけどね。「自由に人生を生きる」みたいなこともテーマの一つだと思いますし。ただ描かれてきた人物像が自分の中でどうにも噛み合わず。
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それ以前に「20」に比べて物語が薄く感じた。
何故だろうと考えてみたんですが、20代の時は主体が「自分」だけだったのに対し
「40」に置いては「母」として「妻」としての姿も現れ、多少エピソードが始まったりするんですがその”解決” にはあまり焦点が当たらずじまいでした。
観てる私としてはルート分岐はしたけどエンディングだけ見せられたような感じで80分間に感じた内容も分割して感じられてしまったためかな、と。
人間歳を重ねるにつれ抱えるモノも増えますのでこれは必然かとは思いますが、演劇として観る分には「20」ほどのめり込めなかった。しかし人生を考えてしまいますね。その点は貴重な観劇だったと思います。
自分も人生や人間に”役割”を見出してしまってますね。果たして良いのか悪いのか。
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今回は「41歳」の富田文子さん、「43歳」の古賀今日子さんが特に魅力的に見えました。
しかし「40」では皆さんの自己紹介が無かったのは何故だろう。てっきり同じ導入でくるかと身構えてしまっていたのでなんだか肩透かし。デリケートな部分ということ?シンプルに不要だったから?
ショウタとあれから疎遠だったのがなんだか寂しかった。
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総合的に見ると「20」で期待が高まっていただけに結構ガックリ来てしまいましたが
20代と比べると緩やかだけれども、しっかりと踏みしめて人生を歩んでいく様が素敵でした。
定期的にその時々の20代、40代でまた観たいですね。今回の「20」の出演者が40代になった時とか。
今回のキびるフェス(表記どれが正しいのかもはやわからない)も楽しみました。
来年も楽しみにしております。