作:別府源一郎 演出:ペニー・レイン
会場:ぽんプラザホール
チケット料金:1.000円
上演時間:120分(休憩20含む)芝居は約35分
公演の説明
福岡の劇団アントンクルーの2年振りのプロデュース企画。
公式サイト
役者もお客さんも初めての本読み!
コロナ禍の中、生の舞台芸術としての演劇を模索していく。そのひとつとして、今回の舞台を創る。役者さんはまず文字通り「初見」で本読み。
その中でサブテキストや表現を探り、約30分のインターバルの後、同作品を改めて読む。ここでリーディング公演になる。
中高年の男性5人の会話劇で、面白い舞台に仕上がるはず!
あらすじ
あるセミナーで知り合った四人の男たち。講義を終え、懇親会に向かう途中に立ち寄った駐車場でキーを閉じ込めてしまう。寒空の下、立ち往生する男たちは無事懇親会へ辿り着けるのか。トラブルを前に右往左往する”男性”の様を滑稽に描いている。
キャスト
岩井眞實、梅田剛利(劇団翔空間)、広瀬健太郎(劇団風三等星)、栃原純司、山口ミチロウ(劇団マニアック先生シアター)
以下:雑感
ある種作品の生まれる瞬間を見られた、興味深い試みでした。読んだ芝居も面白かった。WOWOWでやってる「いきなり本読み!」みたいな感覚かしら。コロナ禍での演劇人の試みのひとつとして残るのかなぁ。なんて。
他の団体さんでもこういった形態も観てみたくなりました。面白そう。
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ぽんプラザ。ホリ幕のところにデカいスクリーン。長机が舞台ツラ面に三脚横並び。椅子が5脚とお誕生日席に1脚。それぞれの椅子の前に脚本と筆記具が置かれている。
何かの会議が製作発表といった雰囲気。
コロナ禍における演劇をどう作るかと考えた結果、稽古一切なしの本番に初見でリーディングを作る。という手法で作られた今作。
キャストも今この場で初めて見るそうです。
観客もバックのスクリーンで脚本を同時に追うスタイル。
2時間のうち、前半は役者による本読み。後半はそれを受けて芝居づくりをし、リーディング公演という形式らしい。
芝居自体のランタイムは約35分。
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観客席は知り合いが多いらしく、企画全体としては身内感がある。
前半本読み段階ではかなり頻繁に演出による指示が入る。コンテクストなことから滑舌が甘いなどライトなところまで、本当にリアルな本読みをそのまま見せられている。
この時点でも結構楽しい。
脚本もしっかり練られているように思う。たしかに普通に作り込んでの芝居でも観たかった。
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いや、面白かったな。
他所の座組みの、芝居の立ち上がりを0から見る機会なんて中々無いもんですし。コロナ禍ももう2年。様々な団体が試行錯誤してきましたが福岡では初めての試み?かも。
興味深かったです。
キャストの皆さんは恥ずかしながら初見でしたが皆さん素敵でした。
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物語も好きでした。
笑いどころも満遍なく、バランスよく配置されていましたし、各男性陣のキャラ立ちもバッチリ。
主題の男性ジェンダーに関しても様々な角度から議論がなされていて楽しかった。
個人的にはこの”議論されてる段階”が一番健全な方向に向かっていると思ってます。
世界もここから良い方向に向かっていってほしい。諦めずに喧々諤々ぶつかり合っていけたら。なんてことを思いました。
偉そうにしていてもどこか滑稽な男のバカっぽさもよかった。ホントに実際に建て込んだ状態で見てみたくなりました。
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第六波でまた演劇も減っていて久しぶりの観劇。楽しませてもらいました。
まだまだ演劇も頑張っていってほしい。
また同じ企画があったら観たいな。作家の別府源一郎さんも初めて知りました。ちょっと追ってみたい。