作:大迫旭洋(不思議少年)・川口大樹(万能グローブガラパゴスダイナモス)・広田 淳一(アマヤドリ)・島田 政輝・藍川夢菜(ACALINO)
演出:後藤 香(劇団go to)・川口大樹・大迫旭洋
会場:manucoffee クジラ店
チケット料金:1.500~3.000円+ワンドリンク500円
上演時間:約80分(休憩含む)
公演の説明
演劇を身近に!劇場よりもっと気軽な空間で、お茶をしながら観る演劇 『ゲキ×カフェ』の第7弾
福岡の”あかりのプロダクション”による演劇短編企画。福岡のカフェで行われている。
いろんな作家の短編作品を、いろんな形で、お届けします。
今回はvol.1〜6の中から5作品を再演、そして新作1作品をお届けする。
あらすじ
各演目毎に記載
キャスト
森淑乃、林和香奈、牧野ひかり、十朱由菜、井上璃恵、清水美優、仲ひより、愛鈴、友希
以下:雑感
思いのほか楽しかった。各演目毎、キャスト毎のクオリティにバラつきが見えたけど終わってみればイイ観劇でした。ランタイムも80分とちょうどよい。
コーヒーも美味しいしラフに楽しめました。イイ時間でした。
キャストの皆さんズンズン成長していっていただきたい。牧野ひかりさんが特に良かったですね。
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薬院のmanucoffee (マヌコーヒー)の2階のアートスペース?みたいな空間での芝居。普段は普通にカフェスペースなのかな。
コンクリ打ちっぱなしの部屋にテーブルやソファなど。舞台奥の壁には額に入ったグラフィティアート的な絵が飾ってある。
舞台は一尺くらいの小上がり。1×3間くらいの板かな?床面はパンチのみ。
キャストの女性たちがスタッフもやっていて和気藹々とした雰囲気。演目ごとに白い箱馬持ってきて色々する。
衣装は基本的に白とパステルブルー系で”爽やかアイドル”って感じ。
演目は全部で6演目。各10~15分程度。
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①『コーヒールンバ』
作/演出:大迫旭洋(不思議少年)
あらすじ
“コーヒー”の歴史。そんだけ。
キャスト
井上璃恵/仲ひより/愛鈴
発祥から世界各国に回って現代にいたるまでの歴史をラフに演じている。
カフェを舞台にしたこの公演のオープニングにふさわしい演目、かも。演じた三人はまだ経験が浅いのか。あまり稽古時間を取っていないのか。
なんとなく上滑りした茶番のような空気を感じた。
不思議少年の大迫氏の脚本で期待していたが、綺麗にまとまっているだけであまり氏の味が出てなかったかも。
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②『わたしのハッピーエンディング!?』
作:藍川夢菜 演出:後藤香(劇団go to)
あらすじ
かぐや姫が遊びに来た。出迎える白雪姫、美女と野獣のベル、シンデレラ。それぞれの物語について話すのだが知られている話とは微妙に違っていて…、
キャスト
森淑乃/林和香奈/牧野ひかり/十朱由菜
よくある”御伽噺のもしも”系の話。
ネタ自体はそんなに真新しいものはないが、コミカルな雰囲気が良い。しかしまだ茶番感がぬぐえない。どっちかというとコントに近いのかな。声色がもう何種類かあるとギャグにもエッジが効いてもっと笑えたかもしれない。
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③『個性の時代』
作/演出:川口大樹(万能グローブガラパゴスダイナモス)
あらすじ
就職履歴書を友人たち書いてもらったのだが、でたらめな物凄い経歴を好き放題書かれてしまう。曰く私が無個性だから少しでも目立つようにとのこと。これからは個性の時代とはいえ限度があるのでは。畳みかけるボケにツッコミ続けるハイテンションコメディ。
キャスト
林和香奈/牧野ひかり/十朱由菜/井上璃恵/清水美優/仲ひより/愛鈴/友希
ガラパの川口さんの作。脚本上のネタ自体は面白いんだろうなという雰囲気を感じたが、役者陣の力量不足で本来の面白さが伝わってない部分が多々あった。
個々の実力というよりも集団としての芝居かな。ガラパさんの良さって集団での共通の“空気“の作り方が上手いところが一つあると思っていて、MIWAKUの皆さんはまだ全員でそれを感じ取れていない印象。結果ずれてる部分が聞こえにくかったりして魅力も半減したように思う。尺は短いが結構難易度の高い物語だったかも。
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④『カードプレイング』
作/演出:大迫旭洋(不思議少年)
あらすじ
事前に観客に記入してもらった”いつ・どこ・だれ・なに”のカードを使った半即興劇。タイムマシンである目的を果たすため、時間旅行をする博士と助手のSF(?)コメディ。
キャスト
A:林和香奈/牧野ひかり/友希 B:森淑乃/十朱由菜/清水美優
面白い!こちらも脚本が上手いなあ。どっちかと言うと発想が上手いのかも。
ランダムなインプロ的要素をうまく使いつつ、脱線しすぎないストーリーに組み込んでてて役者の遊びに安心して集中できた。この構成だとキャストの地力が出ますね。
私が見たのはAの方でしたが、牧野ひかりさんがすごく良かった。突発のネタにもしっかり対応していてもっと見たくなりました。
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⑤『ヒーローたちの出発』
作:島田政輝 演出:後藤香(劇団go to)
あらすじ
世界のピンチに今まさに出動しようとするヒーローたち!しかし直前に気になってしまう。トイレの電気は消したっけ…?
キャスト
井上璃恵/清水美優/牧野ひかり/仲ひより/愛鈴/友希
ガッツリコント芝居。面白かった。
しかしやはり全体の熟練度がモロに出てきますね。こういう緩急で笑いとる話は特に。
面白かったけどもっともっと行けたんじゃないかと感じてしまう。これもリバイバルらしいのでさらに深めて行ってほしいです。細かいけどヒーローの見栄切り的なところも詰めていくとよりギャップが生まれるかも。なんて。
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⑥『いつかばったり』
作:広田淳一(アマヤドリ) 演出:森淑乃(MIWAKU) 演出アドバイザー:後藤香
あらすじ
いつかばったり会うかもしれない誰かを想い目をつぶる。
キャスト
森淑乃/林和香奈/牧野ひかり/十朱由菜/井上璃恵
急に“演劇“来たな。ここまでほぼコントだったからビックリしてしまった。
エンディングにふさわしいしっとりした物語で気づけば集中して観てました。全体の構成も上手い。
演出もMIWAKUのメンバーだそうで。アドバイザーがいるとはいえしっかりした演出が付いてて観やすく面白かったです。ひとつの終わりと再会を予感させるイイお話でした。
やはり群読パートや移動時の身体のキレなどに甘いところが目立ちますね。
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こんな感じ。
環境がそもそも演劇向けという点では△かも。声が反響して終始聞きにくかった。前半三つは特にそうだったが、脚本に入りこめなかった場合聞いているのも正直辛かった。
舞台との距離感やアットホームな雰囲気などは小劇場チックでとても好みでした。
声だけなんとかならないかなぁ。
キャストのファンの方やご友人がほぼ占めていた感じですが、ここからもっと輪が拡がっていくとよいですね。
皆さんまだまだ粗削りな部分がありますが、全員しっかり光るモノがあるように感じました。どんどん上手くなって楽しい舞台をたくさん作ってほしい。
舞台に限らず今後も楽しみなグループだなと思いました。次回Vol.8も観に行きたいです。