観劇・感想

観劇感想:柿喰う客「空鉄砲」

作/演出:中屋敷法仁
会場:ザ・スズナリ
チケット料金:1.800~5.000円(配信あり)
上演時間:約80分
公演特設ページ

公演の説明
演劇界の風雲児「柿喰う客」の最新作は愛と欲望が支配する密室劇。
男×男×男が激しく火花を散らす本格官能サスペンス。
キャストをシャッフルして行われる「乱痴気公演」の他に、新人のみでの「新人公演も行われる」
あらすじ
大豪邸の浴室で非業の死を遂げた人気ミステリー作家「網代木冬」。遺産を受け継いだ一人息子は父の半生の商業映画化を試みる。オーディションの末、主演に抜擢されたのは無名の新人役者。それは作家・網代木冬が寵愛していた高級男娼の異母弟だった。

キャスト
玉置玲央 永島敬三 田中穂先
[新人公演]佐々木穂高 田中 廉 山中啓伍
      蓮井佑麻 中嶋海央 浦谷賢充

以下:雑感

凄まじいな…。柿喰う客最新作、役者の圧をひたすら感じました。
玉置玲央、永島敬三、田中穂先という好きな俳優しかいない贅沢舞台。堪能しました。

*****
耽美的というんでしょうか。

どストレートな単語、表現の連続で中々にエゲツないいつもの柿喰う客。
怪しくも力強い俳優たちのパワーの影響か、碌な舞台装置も無い中でも爛々と輝く薄暗い美しさを感じました。(わけわからんこと言ってる気がする)
俳優御三方とも細身なのにものすごいパワフル。段々と迫力が増してきてる気さえします。

*****
柿喰う客は役者本来の地力やエネルギーがダイレクトで浴びせられ続ける、ぶっちゃけ観るのにかなり体力を使う芝居ですが、今回はちょうどよかったです。
前作「滅多滅多」ではエネルギーの波が息つく間もなく飛んできてかなり消耗しましたが、今回の三人編成ではちょうどよかったのかも。見やすかった。

コロコロと千変万化する人物や情景にも割とすんなりついていけて、構成の巧みさを感じました。
やはり柿喰う客は良い。

*****
やっぱり灯りの使い方がうまい。冒頭カミ手の暗闇から一旅御幸(玉置玲央さん)が「ヌッ」と出てくるところ。かなりドキドキした。
その他にも…

書いてて思い直しましたが、灯りの使い方というより「闇」の使い方が上手いのかも。毎回新鮮な驚きを与えてくれます。

*****
サスペンスとしてもとても好みでした。
ホントにミステリー小説を読んでるような気持ち。
状況の整理から段々と感情のディープな部分に潜り込んで暴かれていく心が、すごい風を感じさせてくれました。

ジャンルが幅広いなぁ。中屋敷さんに書けないジャンルとかあるのかしら。

*****
2022年初柿喰う客でした。
玉置玲央さんを筆頭に、俳優御三方も個々に活躍の幅が拡がっていっていてファンとしても嬉しい。

益々の活躍と発展を期待しつつ、次回も楽しみに待ってます。
抜群の観劇でした。