観劇感想:福吉座 第11回公演 「SAZAN」
作/演出:高梨由
会場:甘棠館Show劇場
チケット料金:1,000〜3,500円
上演時間:約 80分
公演の説明
福吉座の第11回公演
あらすじ
「婚約者を探しています」という、ある女のSNSへの投稿。それを目にした人物から連絡があり待ち合わせ場所へ行くと、なんと婚約者と瓜二つの男が【3人】現れる。男たちは三者三様それぞれの人生を歩んでいた。果たして婚約者との関係は…。そしてその行方は……。
キャスト
ショウきん 山田だびんち 神宮聖也 黒瀨義明 内田琉聖 柏良美沙紀 鶴田りさ 仲千恵 森志穂 八坂桜子 古澤大輔 花岡昊芽 神﨑麗生
以下、雑感
何の話だったんだ。今まで観た中では1番マシだったかもしれないが、とにかく盛り上がりに欠けていて普通に面白くない。あの導入からこんなに盛り上がらないことあるのか。主演2人が頑張っていてなんとか持っていた。
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甘棠館show劇場。飾り気のない黒と灰色の舞台。グレーパンチ。パンチ一枚分エリアが前に迫り出してる。カミ手シモ手に黒い箱馬。中央にステージデッキ2枚分くらいで菱形の小上がり。
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「婚約者を探しています」という、ある女のSNSへの投稿。それを目にした人物から連絡があり待ち合わせ場所へ行くと、なんと婚約者と瓜二つの男が【3人】現れる。男たちは三者三様それぞれの人生を歩んでいた。果たして婚約者との関係は…。そしてその行方は……。
みたいな。
ここまで聞いたらすごく面白そうなのに全然盛り上がらなかったな。
上記の部分がランタイムの15分くらいで起きてその後、なんかいきなりそっくりな男たち3人が生活をシャッフルし始める。まじで前触れなく。なんで???
そのあと主人公(八坂桜子さん)しばらく出番ない。物語の根幹にあるのは「失踪した婚約者の謎」なんじゃないのか?なぜか最初の台詞以降急に婚約者探しへよ情熱を無くしたかのように見える。
最終的には主役のこのカップルは実は両方とも結婚詐欺師で、でもお互いともに本当に好きになってしまい、失踪した男の方は偽りだらけの彼女に本当にやりたいことをさせたくて行動していた。という感じに読み取れました。
どういう見込みがあっての行動なんだ。
作家的にやりたかったのは1人三役の入れ替わりコメディが先だったんだろうなタイトル的にも。こうなるともはや「婚約者探し」が完全に邪魔。おかげで物語が今どこを走ってるのか、さっぱりわからん状態が長い。作家は全体像わかってるからいいんでしょうけど。
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強いて言葉にしておきますが、シーンごとの小ネタが面白かったり役者の演技の調子で笑いが起きたりすることはありますよね。でもそれらは作品や公演の面白さとは全然繋がってないパターンあります。よくあります。これもそれ。
笑いが起きた「箇所」もありますけど物語と繋がってなさすきてもはや苦痛。
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作者は演劇や劇団をなんだと思ってるんだ。人生よくなる魔法のツールじゃないぞ。
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個人的には脚本も書かずに悪びれもせず劇団員にあんな態度を取るようなやつはもっとボコボコにされて然るべきだと思いますがそれは置いておいて。劇団員と喧嘩するような性根で、あの感じで見つけたオカマをキャスティングするようなバイタリティのある人が脚本を他人に任せるのか??????
本当に感情と行動の導線が繋がらなくて不気味すぎる。物語を転がすための傀儡が多すぎる。人物がみんな舞台装置でしかなく、この物語の外の人生はないように感じる。一星くん(内田琉聖さん)とかどういう思考であんな変なポジションの役作りをするに至るのか。
ていうか劇団とバーでの入れ替わりはフィクションとして見ればまだギリ許容できるけど、自分の家のリビングに知らないソックリな男を入れ込むの普通に無理じゃないか?しかも妻子のいる家に。ヤバいだろ常識的に。そこを飛び越えるくらいの理由はせめて描写しないとダメじゃない??普通に怖い。なにかあったらどうするんだ。妻子目線からするとある日いきなり夫(父)が別人に変わってた、とかもう別のホラーが作れちゃうだろ。
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主人公と相棒の幼少期エピソードがわりと描かれていたけれど、肝心の現在の2人が薄すぎて取ってつけたような印象。正直いらないのでは。
主人公たちに感情移入できるほど尺割かれてないんだよな。
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作り手の倫理観の程度問題だと思いますが、結婚詐欺を行っていた主人公たちが何の報いも受けず、スッキリ次に進んでいくのはどうにもけつの座りが悪いですね。捕まれお前たちは。
それともこれが初犯でまだ未遂なのか?男たちみたくまだまだその道を突っ走るならアウトローの生き様って感じで観れますけど、人生の河岸を変えるというならもっとこう、、なんかあるだろ。それなりの報いが。
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演出がすごい、すごい淡白。なにか手が加わってるなという瞬間がビックリするくらい無い。終始平坦に進んで終わった。甘棠館サイズだがすごく遠くに感じた。
シーン切り替えが多すぎる。し、見せ方がワンパだし多すぎるほんとに。もっと工夫できたのでは。
11回もやってたら作劇も役者ももちろん演出も多少といわずパワーアップしていくもんと思いますが演出だけはずっとお粗末ですね。誰も指摘しないんだろうな。
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死ぬほどつまらないわけじゃないけど、全然面白くない。すごく疲れる観劇でした。主演のショウきんさんはとても素敵でした。シンプルに切り替えも大変だったでしょうに変化がわかりやすく、ちゃんと「4人」演じ分けられていたことに感心させられました。キャスト陣それぞれの企画はちょっと興味ある。