雰囲気はあった。
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FUCA BASE。
http://fuca.asia/portfolio-view/event-space/
アートスペースを劇場利用した舞台。
普段は美術品の展示やワークショップなどで使われることが多いそう。
舞台はほぼ写真通りの真っ白い素舞台で装置は無し。
転換でちゃぶ台を持ち運びしてたくらいかな。
基本ブルー系の灯りで、ふんわりゆったりというか、冷たい雰囲気だったように思う。
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あらすじ(※公式サイトより
もりちゃんという名前の猫を探すともだち、
大切なぬか床をくれたおばあちゃん、
いつもそばにいてくれたお父さん。
お元気ですか。(宇宙飛行士になりたいと言っていたのは、誰だったっけ。)
明け方の海で、獏が泳いでいるのを見た子がいた。
お腹いっぱい悪夢を食べたら、次の夜を目指して旅立つんだって。
私にも、いつか見えるかな。
事実を基にして描いているそうです。
一人の女の夢の話。
気仙沼で暮らす女性の平凡な生活。
震災のもたらした変化と、それを受けた女性の5年間
震災被害にあったある女性の、それ以前と今日までの5年間の家族や友人とのやりとり。
震災によって失ったモノとどう向き合い、受け入れ、生きていくのか。
というようなお話でしょうか。
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雰囲気はできてる。
特に冒頭で主人公:ノリコが青い光の中でバレエを踊る場面。
黒いシルエットが水の中で踊ってるような、
言葉はなかったけれどキュッと引き込まれるモノを感じた。
これから面白い芝居が始まる予感がした。
けど最初だけだったなぁ。
いざ会話が始まるとなんというか、稚拙な部分が目立った。
終始一定のテンポでの会話、”THE・脚本”という感じのカタいセンテンス、ぎこちない距離感、物語に活きてこない特異な設定、貼り付けたような表情、他諸々………
最悪っていうほどではないけれど、特に若い俳優さんたちは訓練・エネルギーが足りてないように感じた。
ただでさえ抽象的な舞台で、ふわりとした世界を伝える術は演技しかないというのになんとも惜しい。
しかし、作品の雰囲気というか劇団での「こういう芝居をします」っていうカラーがもう完成してるように見えた。
まだ三作目らしいが団体としての世界観がしっかり形作られているのは素晴らしいと思う。
あとはキャスト陣の表現力がしっかりついて、観客が没入できるようになればより良くなるんではないでしょうか。
この後が楽しみな団体でした。
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