観劇・感想

観劇感想:株式会社エンターアーツプロモーション「こりゃもてんばい4」

原案•脚本:斉藤優/脚本•監修:金沢知樹/脚本:いちかわニャー おーい!テンプルくん 区役所太郎 高橋車 月明テラス 長花枝薪/演出:弥山宗作
会場:ベイサイドライブホール BY ACTIVE HAKATA
チケット料金:4,500~5,000円
上演時間:約90分

公演の説明
お笑いコンビ、パラシュート部隊の斉藤優がプロデュースしたオムニバス企画。昨年に引き続き今年も上演される。HKTを始めとした福岡のアイドルやタレントも多数出演する。
あらすじ
みたいテレビあるから飲みいけん、て女子から断られたぁ。来週免許更新やけん明日映画いけん、て断られたぁ。自転車パンクしたけん今日やめとくー、て断られたぁ。バスで二駅の場所やん。あー、モテん。あー、モテん。鳥のフンもよーあたるぅ。アプリの恋愛ゲームでもよーふられーる。課金結構したばい。やばかて。こんままやったら今日も明日も来年もー あー、こりゃ、モテんばい。この物語はドブ河に沈むヘドロよりもモテない男たちの物語をオムニバスで描いた底辺恋愛ストーリーである。
キャスト
Aチーム
ノボせもんなべ 大場美奈 堺萌香 内木場圭佑 北島タツロウ 鹿田実央 高橋秀斗 鶴田りさ 永田大介 花岡悠介 花柄ブーツまなつ 松田莉奈 森本真生 八坂桜子 
B チーム
土居祥平 秋吉優花 渕上舞 阿部桜々 井上志帆子 北田祥一郎 楠木里愛菜 たかおぽん 高瀬龍之介 中野勇助 花柄ブーツとだみ 颯斗 美咲 脇山昇悟

以下:雑感

イナ戦が良いよね…。全てを追い越して良い感じにしてくれたぜ。イナ戦の魅力を再認識した。両チーム観てもノボせもんなべさんの魅力で保っていた座組だったな。若者がたくさん頑張っているが、やっぱり芝居のサイズが小屋に合ってないのでは。5,000円は高いなぁ〜〜。イナ戦の書き下ろし曲が最高。

*****

ベイサイドLiveホール。演劇もたまにやってるのは知っていたが実際観劇は初めて。

舞台はどこかのワンルーム。捌け口はカミシモ奥にひとつずつ。最後だけ段下カミ側のドアが開いたかな。

センターにローテーブル、ソファ、椅子。カミ手シモ手にタンスがひとつずつ。本が入っていたり。

*****

トータルで見るとやっぱり面白くはない。というかセンスが全部古い。

基本構成が「誰か1人をこき下ろす」形の演目ばかりで救いが全然ないのでめちゃくちゃ笑いにくい。純粋に楽しんでしまったら何かしらの品性に傷がつくような気がする。

とかく古臭さを感じる。オッサンかオバサンが作ってるんだろうな。他の団体でも似たようなことあるけど、顔の整った女子に罵詈雑言吐かせるだけで面白いと思ってるであろう感性がダサい。ちょっともう肌に合わなくなってきたな。どれかの作品でも言ってたけど令和にやるセンスじゃないよね。そのせいかわからんけど人格破綻してるキャラもいるし。モテない男の周りもまぁまぁクズでクズのまま終わるからギャグになりきれてない。

イケメンに普通にイケメンの役だけさせてるのもなんだかね。遊べるところじゃないかと思うんだが。

そして大体構図が変わらないから後半飽きるんだよな。差し込まれるアクセントも毎回「夢をおいかける男女のすれ違い」や「泣く泣く身を引く女」とかで、前観たやつとテイストが一緒。もしや似たような脚本で使い回せるめちゃくちゃコスパのいい企画なのかも。興行としてはうまいよねほんとに。

*****

両方観たけども、ほんとにノボせもんなべさんでもってる演目だった気がする。魅力的な人も何人かいらっしゃったけども他に印象深い人はいなかった。俳優未満の方もいたし。みんな声小さくて聞き取るの苦労した。演出の問題かなぁ。芝居サイズが小屋の大きさと合ってなかった。やってることやキャラクターはどっちかというと漫才チックな風なのに押さえ込んだ日常会話のスケールで統一されてたように思う。もっと思い切りやった方がいいところスゲーいっぱいあったけどな。そういう方針なのか。

しかし中途半端な世間にキャラとして浸透してないハゲネタでスベらされた人めっちゃ可哀想だったな…。キャストに合ったネタ考えてあげればいいのに。完全にノボせもんさん用のやつやん。

*****

毎回J−POPかけながらブル転→暗転はくどくないか?大きな装置転換があるでもなし、もっとスマートに行けたのでは。あと極個人的な気持ちだが微妙な芝居で有名J−POP挟まれるとキツい。思い出が上書きされかねん。

*****

最後「段取り役者が〜〜」みたいなセリフが合ったけどあれは自虐だろうか。そしてもはや「モテ」がどうこう関係なくね?

*****

過去に観劇した時よりは良くなっていたとは思うけども、やはり値段相応の出し物とは思えなかった。チケット相場に思いを馳せるなど。

なんにせよこういった若手も中堅も集めて短編オムニバスをやるプロデュース企画が定期的に安定して行われるのは、地域の活性的には良いこと(前回も同じこと言ったかなもしかして)。見る側もやる側も、普段演劇畑じゃない人たちの入り口とかになっていったら、とか。

あとは毎回値段分楽しめたら言うことないけど、これは私の方の問題かも知れない。