観劇・感想

観劇感想:ジャカっと雀「劇場に愛をこめて」

さみしい、イタい、恥ずかしい、切ない話でした。

面白かったなぁ〜〜。言魂さんやSpace_さんといい、最近の若手は演劇作るのがお上手ですね?

舞台は扇貝の劇場稽古場そのまんま。

機材やチラシ束、剥き出しの平台や座布団なども置きっぱなし。

公演を打とうとして打てなかった現場が舞台なので飾りはなにもなし。

中途半端に照明などが吊ってある。物語の進行中に少しずつバラしていく。

プリセットめんどくさそう〜〜〜。

現実と地続きの劇空間だったので、すごくナチュラルな空気感。気負わずに物語を観れました。

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「演劇人」ならもしかしたら誰しもに、作劇に関わりがなくても、もしかしたら誰しもに共感することができる話だったかも。

福岡南部地震の発生によって公演中止になってしまった劇団の一夜。劇場で一夜を明かす彼らの「演劇」への思いが溢れ出す。

地元で活動を続ける者。上京に可能性を見出す者。憧れに手が届いた者。その逆。それらを見守る者。

芸事に限らず夢を追う集団の中での、

別に仲悪くなったわけじゃない分裂。

あ〜〜〜有る〜〜〜その会話〜〜、

ていうかしてた〜〜〜その話〜〜〜。

と、元演劇人としては恥ずかしくもあり懐かしくもあり…

居た堪れなくなる瞬間も多数。

だからこそ(というのは恐縮ですが)彼ら彼女らの気持ちがすごくわかったような気がしてます。

演劇モラトリアムによくある思考、葛藤、衝突といった感じでしょうか。

主催の桑森さんが「演劇人」に観てほしいと言ってたのにも納得。メチャクチャ共感性が高いです。

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最後の上京するかしないかの選択だけは、物語のご都合を感じてしまいましたが

きっとこの国にもあぁして選んでいった人たちが溢れているんでしょうね。

選択は選ばないことといつもともにあります。あのシーンの彼らの

嬉しいけど、惜しいけど、寂しいけど、嬉しい。みたいな気持ちが

こっちにも伝わってきて感情が忙しかったです。ガラパの古賀駿作さん、いい芝居しますよねぇ。

「題名のない」から意識して観てますが完全にファンになりました。推します。

座組み全体の雰囲気も良さそう。いい座組みからいい芝居が生まれるんだろうなぁというのを実感させてくれます。

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311に絡めて、直接被災していなくても

「誰しもにそれぞれの震災がある」(こんな台詞ではない)というのはなかなか刺さりました。

桑森さん、台詞上手いですよねぇ。

関さんの語り、切なくなりました。

私は直接も間接も大きな影響はなく、それこそ対岸にいるような感覚ですが

それでもあの日のことは今でも思い出せます。

“あの日”が与えた影響はこれからもこの国のあらゆる場面で顔を覗かせるんでしょう。

悔いのない毎日を、選択をしていきたい。

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オチは重くならず、ユーモアがあって好きでした。最後には前向きに未来に、現実に向き合えそう。明るい気持ちで劇場を出られました。

この先どう転んでも皆さん演劇に関わり続けてほしいと思います。

願わくばその様をずっと見守っていき、あわよくば楽しませていただきたいです。

良い観劇でした。

愛こもってたなぁ。