観劇・感想

観劇感想:陽project 第9回公演「忍」

作/演出:シマハラヒデキ
会場:ぽんプラザホール
チケット料金:1,500~4,000円 配信チケット:1,500円
上演時間:約120分(幕間休憩15分))

公演の説明
福岡の劇団、陽projectの第9回公演。プロジェクションマッピングを多用したファンタジー活劇。→公式サイト
あらすじ
時は戦国乱世
闇の忍ドーマが太古の妖魔であり鬼の王 酒呑童子の封印を解こうと暗躍しだす。もし封印が解かれれば世界は妖魔蔓延る”逢魔が時”に包まれてしまう。果たして葉隠れの忍はこの暴挙を止めることができるのか。
殺陣あり、笑いあり、涙あり。竜将ことシマハラヒデキが率いる陽projectが送る大迫力エンターテイメントショーステージ  ※チラシより
キャスト
シマハラヒデキ 窪津りの 前田俊朗 桑野イドリス 今中知尋 藤柚花 浜崎美華子 加奈部叶人 山本双葉 三戸雄太

以下:雑感

ダッッッッッサい。ありとあらゆることが。状況説明を台詞ばかりでしていて全然入ってこない。そのくせ観客に伝えるという意識が全く感じられない猛烈なクソオナニー芝居。完全な自慰行為でした。

とりあえずマッピングなんかやめてちゃんと演劇に向き合った方がいい。

アフタートークで稽古を碌にしていないことを笑いながら話してました。どういう神経してたらその年代でそんなこと言いながら芝居ができるんだ?思想に至るまで全てがダサい、酷い観劇でした。

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舞台はぽんプラザホール。

カミシモに6×6くらいのパネル。銀色っぽいまだらに飾ってある。

奥側は凹型を逆さにした形にパネルで壁になっていてセンター捌け口に穴が開いている。捌け口手前には2段くらいの階段。

床面はリノリウム。照明など無しでは黒やグレー調のシンプルな舞台。

パネル類はプロジェクションマッピングを映し出すスクリーンになっているようだ。忍術のエフェクトや妖魔の姿の投影、場面転換など様々な映像演出が使われていた。

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情報なくて漢字など合ってるかわかりません。

物語は少年漫画みたいなファンタジー活劇。「妖魔」という悪しき存在が蔓延る世界でそれを討伐する「はらえど(払人?祓人?)」たちの戦いを描いている。

主人公の忍び・竜将と相棒のドーマは”はらえど”の姫を守りながら日々戦い続けている。ある日妖魔の王”酒呑童子”復活を目論む「ブラックマーケット商会」の策略によって姫が殺され、酒呑童子がドーマの中に入り込んでしまう。酒呑童子が復活すればこの世は妖魔の時代「逢魔が時」となってしまう。

憔悴する竜将だったが姫の生き別れの双子”織津”に出会い再び希望を見出した竜将は戦いを続けるのであった。

みたいな。

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ツッコミどころだけで構成されていてどこから言及していいのかわからない。

開始数秒でまず思ったのは殺陣がシャバすぎる。もうフワッフワ。全く刀に見えない。ので今起きた動きが斬ったのか刺したのか、はたまた抑え込んでいるのか判別がつきにくい。

謎に刀身が光る剣を使って斬るたびにモンハンのようなエフェクトが出てくるわけですがハッキリ言って邪魔すぎる。目の前の役者の技量が低すぎて全く活きてない。せっかくのマッピングも豚に真珠状態。

殺陣というよりも、キレの無い踊りもどきでした全編通して。どんな心算で臨んでいるのかわかりませんが先日の殺陣ショーのほうがまだ意識が高かったような気がします。あちらも全体的な技量は低かったですがキャストの真剣さは伝わりましたので…。

妖魔なのに「ヤ!」とか声出してかかるのどうなんですかね。お稽古の時のまま?それともこの時の敵は妖魔ではなかった?

しかし今年はキツい殺陣を見るのが多い年です。主役の人のやりたいことやれることだけを並べたような構成で目を見張る部分がない。慣れだけで本番に臨んでいたような印象です。締まりがないというか…

エフェクトがあるからって油断しすぎでは?見た目派手な割に肝心なところで肝心なSEが入らないし、なんだこれ。力の入れどころが謎すぎる。

殺陣の「カッコいい」を履き違えてるような気がするんですよね。シャカシャカ速い手をやってカッコつけるところにしか意識が行っておらず、物語の中での見せ方に拘りが感じられなかった。

一番ズッコけたのは最終話のドーマとのバトル。ラスボスに取り憑かれた親友との決戦での一撃目がまさかの”不意打ちの背中ぶっ刺し”。しかも結果的にヒロインを囮にした形。ダッサ過ぎる。やってて違和感なかったのかな。

その後なんか泣きながらエモそうなこと言ってトドメさしてましたがなんも響いてこなかった。

物語や感情の高まりと「戦い」が上手く繋がっておらず、結果売りの一つが観客の集中を切らす要素のひとつに成り下がっていたように思います。

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戦闘だけでなく芝居もお粗末。

漫画アニメのようなの誇張キャラ設定をそのまま引っ張り出してきたような人物たちでめちゃくちゃ高笑いするし。泣いたり叫んだりの酷いオーバーな演技で勝手に盛り上がっている。

その上台詞と感情の焦点があっておらず熱が込もっている風だが無機質で観ている側になにも入ってこない。“自分の気持ち”にしか意識が向いていないのではないか。終始「ああ、気持ちいいんだろうな今」という冷め切った気持ちになってしまった。

こんな演技始めたての人に言うようなことを、3500円も払って思わされるなんてホントに堪らない。

もっとちゃんと会話してくれよ。演劇観に来たんだよこっちは。それとも私の認識が間違ってたんでしょうか。「ショー」ではこれが普通なんでしょうか。先日の観劇も併せてわからなくなってきます。

「ゼツボウノウタゲヲー」「フウインジュツー」「コレデイーカートモヨー」

ちゃんと喋ってくれ。ていうか「封印術」ってなんなんだよ…。キャラ名も設定も道具も全部クドいのになんで肝のとこだけそんな感じなんだ。ズッコけたわ。

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世界観。ホントこれがわからない。

ここがいつでどこでどういうところでどんな人たちが生きてるところなのかさっっっぱりわからない。

時は戦国乱世でタイトルが「忍」、妖魔の王「酒呑童子」ときて敵組織が

ブラックマーケット商会????????????

いやわかんねぇわかんねぇ。急になに。どこに行きたいんだ。

これがなければ現実世界の戦国時代知識で補填できたのに、おかげで土台からめちゃくちゃ揺らぎましたよ。おまけに妖魔と共存しようとする人間まで出てきたし。このトピックってコメディで済ませられる範疇じゃないと思うんですけど??

この世界はどんな世界なんだ忍ってなに?あの変な親子が一般人代表なのか?

ファンタジー世界こそしっかり創りこまないとだめでしょう。

いやどんな世界作ってもいいんですよ。戦国にブラックマーケット商会がいてもいいんですけどマジで伝え方が下手。ずっ〜〜と「?」が浮かんでいてなんも入ってこない。もっと上手く巻き込んで没入させてくれよ。

エフェクト頼りで役者の表現が薄いから作り込んだ世界のこと全然伝わらんのですよ。

そもそも脚本段階で台詞が稚拙すぎる。思想信条は行動で見せてくれよ。生身の人間がやってるんだから。過去も内面もめっちゃ喋るじゃん。全部台詞で言う炭治郎だよ。

それに固有名詞がめちゃくちゃ多くて全然入ってこないんですよ。ダメな打ち切り漫画の典型例みたい。

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この伝わらん感じ、シンプルに演出がよくない。ダサいし。

2時間のうちに全12?13話?ありました。いや冗談ではなく。

場面転換でいちいち暗転して

第○○話「タイトル」

みたいな区切りが続きます。作り手側としてはアニメを連続で見せてるみたいなつもりなんでしょうか。こっちとしては暗転になるたびに集中切れるし、「えーとこれは今どんな場面なんだ?」を考え直さなきゃいけなくてストレスすごい。エンターテイメント謳ってるんだから気持ちよく観させてくれよ!!連続ドラマじゃなくて2時間の演劇つくれよ!本当に演劇やってんのか?

場面転換でそんなぶつ切りするのに台詞と台詞のテンポが早すぎる上に肝心なところの余韻がなさすぎるし、役者同士の出ハケで同じとこ使うなよ!敵同士すれ違ってるの見せられたらどういう気持ちになればいいんだよ。出ハケの処理とか初歩の初歩では?いっちいちノイズになってます。観客側の処理速度とか想像してほしい。

ホントに客観視できてないんだな。演出としてどうなのそれは。大きなイベント部分だけ注力していて細かい部分まで気が届いていないように見えました。先日のおちゃめインパクトみたい。若手演劇と同じこと思わせないでほしい。

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つか風味のキャスト紹介。ダッサすぎるだろ!!!!

いや下手糞かよ。わかったようなこと言いたくないが半端に真似しないでほしい。なんもワクワクしないどころかめちゃくちゃ寒気したわ。タラッタラタラタラ出てくるし導線もバラバラ。しっかり止まれてないし何言ってんのかわからない。この演出もここまでの流れと全然溶け合ってない。酷い事書きますけど全然知らないキャラクター紹介に無名の下手糞な地方俳優の名前被せられても「誰?」ってなるんですよ。イキリ高校生の文化祭かよって感じです。

そして終わってから調べて驚いたんですが演出・主演の人北区の出身なんですね…。いやマジで?今北区ってこんな感じなんですか?だとしたら嫌すぎるな…。こんな感じの俳優さんで構成されてるんですか?つかこうへい劇団。信じたくない。

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シンプルにレベルが低すぎる。普段どんな稽古してるんだろう。

この座組の人たちは自分達の芝居を復習してるんだろうか。他所と比べて気づかんのだろうか。

もう多すぎるので箇条書きます。

・叫び声だけ全力だすの止めてほしい。普通に耳障り。

・刀の扱いがやばい。ただの棒。

・映像に芝居「させられてる」

・多用されるその場小走りなんなんだ。カッコ悪過ぎるやろ。

・姫死に際にめちゃくちゃ喋る!!結構余裕やな。

・全部口で言うやん。せっかくマッピングとかいうでかいアイテムがあるのになんだこれ。

・ギャグもクソ。なんだ「しゅ」の愛って。シンプルつまらん。

・あの父親要った?

・最終決戦前の演出。ダッサい意外に言葉が出ない。キャスト紹介のダサさを越えてくるとは。

・最終話「最終決戦」ってなんだ。進次郎構文?センスないとかの次元じゃない。所々ネーミングセンスにバラつきがあるのは何故なんだ。

・急なファミコン調の映像なんなの?だから全然溶け合ってないんだって。思いついたこととりあえず入れ込むなよ。

・い~~~~~~~~~~~~~つまで腕立てしてんの?

・ていうかなんで半裸なんですか?なんでなんですか。二時間しかない尺を半裸修行にあんなに割くなんて贅沢すぎる。筋肉アピールにしても中途半端ボディすぎるぞ。

・なんかヒーローヒロインの交流に時間かけすぎでは。他もそうですがもっと省略してテンポよくできたのではないだろうか。

・敵だからって最後寄ってたかって罵倒しすぎでは?勧善懲悪通り越してない?敵2人だしさすがにちょっと気分悪いぞ。

・なんかやたら”忍者・竜将”で押してきてますけど、まだ見てない芝居のキャラクターでいきなり語られても…。陽projectの定番キャラだったりするんですかね。捨之介的な?

・アフタートークで急ピッチで間に合わせたことや碌に稽古してないことをニヤニヤ笑って話してましたけど一個も面白くないんだが?金払ってんねんぞこっちは。プライドとかないのか?

もしもう一度見たらもっとでてくるかもしれないがもう書ききれない。

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何ッッッッだ最後の合唱は!!!

ダサいという一点を追い求めて作ったのかこれ。すごいダサさだ。このダサさを的確に表現する語彙が私の中に無い。

カーテンコールでこんなゾワゾワきたのは初めてだ。ビックリして顎が外れるかと思った。開いた口が塞がらなすぎて口が渇いてきた。

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なんだこれ。なんだこれ。今やってた出し物も全然消化できてないのに謎のCMが入ってきた。そしてこれもダサい。

全然知らない物語をお待たせ感出して持ってこられても………苦笑いも出てこない。

唖然。唖然ですよこれは。それとも私が知らないだけで陽projectってめちゃくちゃ大人気なのか?私乗り遅れてる?

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本当に本当に自分達のことしか見えてないんだなこの団体。狂気ですよこれは。

確かにこのクソリティで4000円取ろうなんて正気だと絶対踏み切れない。

観終わってからクソすぎて震えたのは初めてだ。上には上がいるように下には下がいるということを思い知らされました。まだまだ知らない世界がこの世にあるということを学ばせてもらいました。ありがとうございます。二度と観に行かないです。もし知り合いで観劇を考えてる人がいたら覚悟して行くように言っておきます。

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しかしこの出来栄えでこの意識のキマり方はある種の洗脳状態なのでは。一度でも自分を客観視できたらあのままではいられないと思うんですが…、私の偏見でしょうか。

次回作は逆に観たくなってきたな…。今日のこのどん底を突き抜けた気持ちを更に更新してくれるかもしれない。これもまたある種の感動ではあるのでゲテ物食べたくなったら気が変わるかもしれない。