2023年製作／95分／G／アメリカ
原題：Wish
配給：ディズニー
公式サイト
以下、雑感
微妙だったなぁ。100周年のメッセージ性は高いんだがそれが念頭にある上での構成になっていて、腑に落ちない部分が多々あった。主にヴィランであるマグニフィコ王の設定とか扱いが。
歌唱シーンは最高。だがアナ雪とリメンバー・ミー足して2で割ったような曲だった気がする。スターをはじめアニマルたちは可愛い。おまけの同時上映の短編の方がバイブス上がったな。
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一番デカいところでいうと「誰もが夢を持っていて、それは自分の力で叶えるものだ」ということ。かな。
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世界設定が曖昧すぎた気がする〜〜。ていうかマグニフィコ王そんなに極悪ヴィランじゃなくね？？プライド高くて権威主義だったけども。王権使って贅沢してるわけでもなし。
そも国民から奪った（預かった）夢の使い道がわからん。予告見た段階では夢のエネルギーで魔法の力を得ていて、それで王国を支配している。とかだと思ってたんだけどただ保管していただけだったし。まあ挫折による国民（個人単位）の絶望を防いでいたという点や、国全体の混乱に繋がりそう（極論）な夢をあらかじめ摘んでしまうという点で考えたら、確かにディストピアの支配者ではあったとは思う。
しかし作中から読み取れる感じ、元々は若い時に理不尽に夢を奪われてしまったという経験から、「みんなの夢を守りたい」という動機で修行をはじめたであろうに。いつしか「守ってやってる」になっていって権威に走ってしまったのかなぁ。なんにせよ、あんな地下牢に幽閉されっぱなしエンドにならなくてよかったんじゃないか。根は善人でしょうあのハンサム。
事実アーシャが動くまではみんな納得してハッピー王国だったわけで、本編までの間に何十人かは確実に夢が叶ってるようだし。王様の暴走から打倒までの間で誰も王様の擁護に入らないのは不自然がすぎないか。
でもなぁ、現実の我々も納めてた税金が利益として返ってこないって判明したら全然ブチギレるしそんなもんだろうか。でもマグニフィコは悪用してたわけじゃないんだよな。そこがどうにも因果応報！やっつけてスッキリ！とまでいけない。
最後ひと言「反省したら出してあげるわ」くらい言ってくれたらまだ飲み込めた気がする。
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すごい乱暴な言い分ですが、めちゃくちゃポリコレ的主張を感じたなぁ。近年で一番かも。
女性のエンパワメントに偏重しすぎではなかろうか。バランスが悪くなかった？ヒロインのアーシャが頑張るのは全然普通だとして、作中のマイナス印象全部男が背負ってるし。鼻水クッキー食うのは普通にキモい。
中でも王妃がかなり怖い。「イイ王様」じゃなくなったマグニフィコに見切りつけるのがバッサリすぎんか。完全に悪い王を排して王位を奪った（奪ったはいいすぎだが）女帝ポジ。ロサス建国前から一緒にいて支え合ってきたんとちゃうんかな。そして今回も、根本原因は魔法書なのわかってるのにあのぶった斬り加減やばない？誰も殺してないしまだ全然反省してやりなおせたくない？？ノータイムで地下牢行きにできるの怖すぎる。愛はないのか。これディズニーだよな？前述したけど最後に投げかけたのが別のセリフだったら全然印象違ったのに。あの世界で王じゃなくて“マグニフィコ”に味方できるのアマナ王妃だけだと思うんだけど、すんげえドライで怖い。人物よりも役割としてのキャラしか感じられなかったな。
なんか全体的に、悪いことしたからぶっ倒す！奪われたから取り返す！みたいな0ー100思考しか出てこなくて怖くなっちゃったんだが。他人に夢叶えてもらうという考えが染み付いた国民はこうなっちゃうのか？話し合って間を取れよ。王様の魔法の力がなくなったこの国かなりやばい国力低下が起きると思うんだけど。兵隊がいるってことは戦いがあるってことじゃないのか。そんなこと考えるのは野暮か。
あのガタイのいい男の子の反省タイムよりもマグニフィコの反省タイムに割いて欲しかった。結果として夢を叶えるのに邪魔だった王様を、数の力でぶちのめした。という結果だけ残ってないか？夢を叶えるための障害は全力で取り除けというメッセージになってしまっているのではないか？？？これでいいのかディズニー。
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「主人公のヒーロー性」よりも「みんな願いを持っている」というネタを見せたすぎて展開が強引じゃないか？？最後逆転するところ、みんなで歌って気持ちでひっくり返すのも悪くないし、なんなら好きな展開ではあるけどもそこに至るロジックがおざなりすぎた気がする。マグニフィコの方は若い日の挫折から立ち上がって修行して国作って（凄すぎる）奥の手の魔法書まであるから納得できる手札なんだけど。国民たちはノープランでスターも願いも取られた上での大合唱逆転だったからもう全然腑に落ちなかった。気合いじゃん。過去作はちゃんと反撃の手札は丁寧に示してくれてたと思うんだけどな。
例えばアーシャや王妃とかが、王様ほどじゃないけど魔法使えるとかならまだなんとなくわかったかもだが。弟子入り制度があるようだし。『主人公』であるアーシャの行動や存在がもっと作用して欲しかった。作中一番無色だったとさえ思える。総じてマグニフィコ以外みんな人間味がないよね。
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なんか脚本の会議とかで方向性ぶれまくった気配がする。
お馴染み「信じれば夢は叶う」みたいなテーマでもラプンツェルやズートピアでは、サブキャラクターたちの夢も叶ってるような描写が印象強いけど今回はどうもな…。おじいちゃんだけじゃない？モブキャラよりも仲間達やお母さんの方見せて欲しかったな。思わせぶりで回収されなかった描写多いし。親友が松葉杖ついてたらラスト歩けるようになると思うじゃん。物語においては描写したら回収するべきだと思うわけです。
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他人（王様）任せだった願いがやっと外れて“自分で頑張る“に変わった結果それに応えてスターが降ってこれたのかな。森のミュージカルは素直に楽しい。
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吹き替えキャストの皆さん演技うますぎる。エンドロール見るまで気づかなかったよマチャ。
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「ワンス・アポン・ア・スタジオ」はもう感無量だわ。お馴染みかマイナーであろうキャラまで出てきて最高だった。「ビアンカの大冒険」とか。ずっと私たちの知らないところでわちゃわちゃしててほしい。
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100周年おめでとう！！めっちゃイマイチ要素ばかり並べてしまったけ、なんだかんだ幼少期からディズニーに触れて育ってきたので素直に嬉しい。なんかCEOも今後の方向性見直すみたいなニュースもあったし。これからますます楽しい夢を見させてくれることでしょう。これからもずっと傍にいてほしい。なんだかんだいい時間でした。今作は微妙！
