映画・感想

映画感想:「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」

2022年製作/アメリカ
原題:Black Panther: Wakanda Forever
配給:ディズニー 公式サイト

あらすじ
国王ティ・チャラを失い、悲しみに包まれるワカンダ。先代の王ティ・チャカの妻であり、ティ・チャラの母でもあるラモンダが玉座に座り、悲しみを乗り越えて新たな一歩を踏み出そうとしていた。そんな大きな岐路に立たされたワカンダに、新たな脅威が迫っていた。

以下、雑感

痛ましくて切ない、再起の物語でした。
いつものヒロイックなMCU作品と違い、常に悲壮感と葛藤が付きまとう暗めなトーンの作品。予告で見たパンサーの登場シーンもかなり印象が変わってくる。シーンだけみたらかなりカッコいいのに物凄い複雑な感情が渦巻いてますよあそこ。弔いと戦いを同時にこなさなきゃいけないのキツすぎる。しかし最後には希望が。嬉しいとともに「ティ・チャラもちゃんとやることやってたんだな」と微笑ましくもなってしまった。そんなシーンではなかったのだが。
シュリの涙で締めたエンディング。これまでで一番好きな終わり方だったかもしれない。

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のっけから悲痛すぎる。やっぱりキルモンガーがハーブ燃やしてたの効いてきてんだなー。こんな形で巡り巡ってくるとは。
色んな人が感想書いてますが、やはり故チャドウィック・ボーズマンへの追悼映画の側面も大いにありましたね。もしご存命なら…とずっと考えずにはいられませんでした。その点に関しては作中のキャラクターたちとすごいシンクロした気がする。ずっと「もしあの人がいてくれたら」ってなるんですよね。アマンダもシュリの気持ちもわかるから辛い。この一家失いすぎやでほんま…。
頭がよくて技術がある分くやしさも半端なかったでしょうね…。
でもシュリが怒りに燃えてしまった時ドキッとしてしまった。普通そうなりますよね。兄貴や他のみんなが気高過ぎただけで。作中でも言及されてましたが。これを乗り越えてヒーローになるんですね。

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パンサーに金ライン入ってるのそういうことか~~~。理由がきつすぎるだろ…。でも確かに先代パンサーは金・銀いましたもんね。受け継ぐとしたらメタ的には妥当。カッコいいしね。キルモンガー再登場も嬉しい。やっぱカッケェよ。悪だが。
「ムーンナイト」でもでてきましたが”祖先の平原”。当事者の宗教観、精神状態で場所が変わるんですかね。シュリからすると明確に「間違ってる」「見放された」と宣告受けたようなもんで。きっちぃ。

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ネイモア。カッコいいが怖すぎ。ソーの強さであの挙動で空飛んでくるとか敵側からすると悪夢。しかもヴィブラニウム装備。しかし乾燥に弱いとかでバランスは良い。性格的にも非常さと情の深さを併せ持ったとても魅力的なキャラクターでしたね。敵対していたとはいえシュリに対しての「王」の先輩でもあり…。腹に一物抱えたままとはいえ、今後仲良くやってほしい。

交友といえば。今回はエムバクが印象的。前回からカッコよかったけど今回はホントいいお兄ちゃんしてましたね。理知的でクール。そういえばエンドゲームの時もスーパーパワー無しで参戦してんだよなこの人。しかもヴィブラニウムなし。だよね?今後はエムバクさんと呼ばせてもらおう。こちらも今後のシュリとの関係が楽しみ。

オコエとシュリのアメリカでの掛け合いもとても楽しかった。いいおねえちゃん。その分王妃とのすれ違いが悲しかった。和解してほしかったなぁ。

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戦闘はカッコよかった。ティ・チャラリスペクトの蹴りとかもあってシビれた。けどやっぱりずっと張りつめててしんどかったですね。いつか心からの全開戦闘で暴れまわってほしい。フェイズ6のラストではそうなることを願います。
しかし張りつめていた分ラストの儀式のカタルシスが凄かったですね。美しいラストだった。これも一つの”巣立ち”でしょうか。切なくも温かい良いエンディングでしたね。

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「アイアンハート」や2代目ティ・チャラなど。これからの楽しみがまだまだありますね。しかし継承するヒーローには背負うものが濃いですね。長期シリーズではどんどんエピソードが積み重なっていきますから~っていうのをすごく感じました。シュリはじめヤング・アベンジャーズの面々みんな幸せになりますように。次も楽しみです。

ワカンダフォーエバー!!!!