映画・感想

映画感想:「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」

2023年製作/116分/G/アメリカ
原題:Wonka
配給:ワーナー・ブラザース映画

あらすじ
ウォンカの夢は、亡き母と約束した世界一のチョコレート店を開くこと。世界一おいしくて、空だって飛べるウォンカの”魔法のチョコ”は町のみんなを虜に!しかしそこは<夢見ることを禁じられた町>──その才能を妬んだ”チョコレート組合3人組”に目をつけられてしまう。さらに、ウォンカのチョコを盗むウンパルンパというオレンジ色の小さな紳士も現れたから、さあ大変!果たしてウォンカは無事にチョコレート店をつくることができるのか?
公式サイトより

以下、雑感

「ステキなことは夢を見ることから始まる」 なんて素晴らしい映画なんだ。思わず踊り出したくなるような歌とダンス。見るだけでワクワクしてくるチョコと美術。魅力的なきゃらと世界。構成を美しい。最後に食べたチョコが1番美味しそうだった。ティモシーウォンカ最高。最高ミュージカル映画🎬

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ビジュがいい〜〜〜。かっこかわいいウィリー・ウォンカ。あの、帽子持ってちょっと首傾げるのたまらんですな。ポータブルチョコ工場が素敵すぎた。ファンタビのニュートのカバンとか思い出しましたよ。しかしながらあの中にお母さんとのスライドショー入れてるのは寂しさを抱えてもいるのかなとか。ギャップも感じられてよかった。好感の持てる主人公。ユーモアと情熱を兼ね備えたキュートで歌もダンスもできるおっとり優しい魔法チョコ職人。ガワがティモシー・シャラメ。申し分ねぇ〜〜〜。

夢の塊みたいなウォンカと対照的に敵さんはみんなスーツでまさに現実(夢を見ないこと)の象徴て感じ。かなりコミカルに描写されてるけどまあまあエグいことしてくる。

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ギャグも全部おもろいのすごい。全自動洗濯機(犬)とか好きだった。

しっかりフリとボケとで落としてくる。それがまた“チョコの魅力”の説得力を強化して来るから良い。アビゲイルはかわいい。

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物語の構成がいい。伏線や設定、キャラクターに無駄もないし。OP船内からのミュージカルの時の船員との絡みや最初のベンチまでで性格までなんとなく示してくるの上手すぎる。「ズートピア」くらい処理が上手い。あの一曲で世界観と主人公のキャラと目的と現状までわからせてくるのが気持ちよかった。速攻で文無しになるのもかわいい。

「字が読めない」ことが最後ああして効いてくるとは。たくさん美味しそうなチョコ出てきましたけど、仲間たちと分け合ったあのプレーンなチョコレートが一番美味しそうでしたね。ウォンカにとっても大きな感動があったのが伝わってきて泣けてきてしまった。

“魔術師“が一般認知されてる世界で、ヌードルの指輪の謎や、お母さんのチョコレートの秘訣などが安直に魔法で片付けられなかったのが個人的にすごく良かった。絶対「愛情」とかだと思ったもの。浅はかながら。

判明するのも物語のロジックと主人公の成長と絆に基づいたしっかり根拠のある気づきですんなり腑に落ちたし感動もひとしおでした。

それぞれの因果応報も違和感なくキマってくるしファンタジーに頼りすぎない事件解決で塩梅最高。

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このイイ子が何があってジョニデになるんだ?!と訝しく思っていましたがなんとビックリ関係ないのね。いや原作は同じなのか。要調査。

よかった…何か絶望的な事件がこの後起こったのかと思ってた……。マルチバースで無理やり納得させるところだったわ。

「夢のチョコレート工場」という、1971年の映画なんですってね。日本の情宣の上手いところなのか下手なところなのか。私はそれで観に行けたので上手かったのでしょう。中身は最高だしいいよね。

現状スターウォーズのEP4と1みたいになってるのかな。時系列的に新しい方が古い。今作が盛り上がったらリメイクされたりするかしら。

ワーナーってことはUSJとかでアトラクション化するような未来もワンチャン?既にあるのかしら。もしかしてどこかにはもうある?

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いやはやともかく最高のミュージカル映画でした。シャラメくんがね…いいよね。でも一番頭に残ってるのはウンパルンパの歌。まだまだこの世界に浸っていたいと思える素敵な物語でした。私も何か新しく始めようかな。