観劇・感想

観劇感想:天神ニコルソンズ「城南フロッグボーイズ」

作/演出:木下半太
会場:ぽんプラザホール
チケット料金:4,400~4,900円
上演時間:約110分

公演の説明
演劇×ロックの融合 ⁉️福岡市城南区を舞台に「井の中の蛙」達を描く。テレビ朝日「仮面ライダーリバイス」やテレビ西日本「1 回表のウラ」など数多くの脚本を手がける木下半太が、東京の『渋谷ニコルソンズ』、大阪の『なにわニコルソンズ』に続き、福岡で『天神ニコルソンズ』を立ち上げます。
あらすじ
俺たちは中学の同級生。生まれてこの方、福岡市の城南区を出たことがない『井の中の蛙』だ。お決まりの集合場所は小さなバー。夜な夜な集まり、くだらないことで喧嘩したり、朝まで夢を語ることもある。悩みや不安がないわけじゃないけれど、芋ソーダ片手にそれなりに楽しく過ごしていた。……アイツが帰ってくるまでは。俺たちを裏切り地元を捨て東京に行ったアイツは、久しぶりにバーに来て標準語で言った。「お前ら、今日何したんだよ」
※公式より
キャスト
瀬上祐輝 中村豪志 秋吉優花 安武風花 塚田リョーヤ 黒河総司 SHO-TA 山田だびんち メリコンドル神宮聖也 おのうえちえ 山口あんず 馬場美和子
▪Aチーム
花岡悠介 平田優翔 辻ニイナ 檜奈七子 拓 H!romu 美咲 渡辺美桜
▪Bチーム
笹木蓮 谷口健太 井上志帆子 宮西希莉香 むら 山村結 REN

以下:雑感

話は普通だがネタは面白かった。なんていうか”上手”な作り方してるなと。実力差がまばらなあの人数のトピックをしっかり処理しきれてるのはお見事でしたが「処理」でしかなくて全然心が入っていかなかった。登場人物全員ちょけてるから真剣な言葉も全然刺さってこない。つまんなくはないけど4,400円はないよね。

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ぽんプラザ。「BARケロケロ」。上手奥にツラ側に向けてバーの入り口。その前にはミニテーブルとソファ、椅子が二脚。シモ手奥にツラ側に向けて非常口。布がかかってる。その前にはバーカウンターと酒類のある棚。センター奥はコの字型に窪んでいて小上がりに。バンド機材がセットしてある。カミシモ手前にもハケ口が一つずつ。

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「なんだかんだみんな色々あるけど今ある自分と向き合ってがんばっていこうね」な話。爽やかでスッキリした話だった。演劇だなぁ。アイドルや芸人畑の出身の方もいる、実力差がまばらなメンバーがよくまとまっていたように思う。昨今福岡でも増えてきて、もはや一般化しつつあるこの手のプロデュース公演では一番安定してしていたんじゃないでしょうか。とはいえ複数人での掛け合いでは違和感なくなじんでいたんですが、一人語りだったり所々でカタさが感じられたりはありますね。トータルの完成度が高いのでもはや粗さがしですが。
しかしながらその微妙な掛け違いがあるゆえか、普通のシーンで芝居のボルテージが上がらず、大ネタのミュージカルシーンとかの「演出の仕事」でしか面白くならなかったように思う。演出家の上手さを感じる演劇だったな。ベースの会話で盛り上がれないから「わははオモロ」以上になれなかった。
出ハケが絡む場面転換は全部キレが悪かった。これは単純に稽古不足、共有・浸透不足ですかね。まだ残ってるのに次のシーンに行ってしまったりとかチョコチョコあったし。プロデュース公演の限界か。

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ふとし(中村豪志さん)の上京して特撮出て~~、な設定。中村さんの顔面の説得力が凄い。キャストみんな顔面整ってたのは良。主演の方ちょっと神木隆之介に似てる気がする。
夢追い人に向けた「今日何した。明日何する。」だけは響いたな。

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幽霊周りは歌唱ギャグに繫げるためだけにしか存在してなくて、正直蛇足では…?主人公や妹の決断にあんま作用してこないし。

多分作中一番の見せ場だったミュージカル(?)シーン。おもろいんですが長すぎたし小刻みすぎてだるくなっちゃったな。当たり前だけど全員歌唱力あるわけじゃないし、途中から下手でもご愛敬モードに入ってしまって後半きつかった。私の観た回は客席にご親族でもいたのか最悪だったし。手拍子すりゃいいってもんじゃないよ。
結局たまちゃんは歌わなかったし、あの流れだと全員で合唱に入るのが順当なのでは。わからんが。

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ほんと、近年の地元のプロデュース公演の中では一番まとまってた。二回目三回目公演もあるのかな。