作/演出:刈野名義
会場:ぽんプラザホール
チケット料金:800~1.000円
上演時間:約60分
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公演の説明
福岡の劇団、万能グローブガラパゴスダイナモスの若手ホープ二人の突発演劇ユニットの旗揚げ公演。
あらすじ
いくつかの短編オムニバス。
いつかのどこかの戦場で戦った若い二人の夢の話。
もしもの様々な人生とともに、混沌の世界で生き続けていく二人の決意と熱意の歌。
キャスト
友田宗大 古賀駿作
以下:雑感
青臭ぇ〜〜〜!!!!
看板に偽り無し。まさしく無鉄砲公演。アクセルベタ踏みで走り出した二人の演劇。心から応援したくなる。
自分が演劇始めた時のことを思い出したり。よかったです。
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舞台はぽんプラザ。108席全部競り出し。ほぼ満席かな?8割くらい。
裸の平台の床面。横幕がカミシモ出ている。
アクティングは大体5×4メートルくらい?
三輪自動車(お手製かな?すごい)や洗濯物が乱雑に置いてあったり干してあったり。カミ手側の大きな脚立からシモ手に向かってロープが引いてあってそこにも服(衣装?)が掛かっている。
ぱっと見はガレージかキャンプ場とかみたい。賑やかに物が集まっていて楽しげだ。
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良かった。
熱意だけ、て言うと失礼ですが、若々しいエネルギーに満ちた爽やかな公演でした。
お二人自身ののキャラクターや好感度の高さもあるでしょうが、素直に応援したくなる芝居。
ラスト雰囲気で無理やりアゲられたような気もしますが、細かいことは気にすんな!と言わんばかりの心意気が感じられました。好きなやつです。
この娯楽乱立時代に生き残って売れていくにはパートナーというか、相棒みたいな存在を見つけられるかがすごく重要だと思います。表方裏方問わず。
とてもいい座組みなんだろうなというのが観てて伝わってきました。
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脚本のワードセンスがよかった。こちらも好きなやつ。
しかし、演じ方次第でもっと爆発させられたんじゃなかろうかと思いました。
暖かい客席でしたが、終始小笑いのままラストまでいった印象。
序盤で爆笑させて引き込ませてもらえたら更にのめり込めたのでは。
所属団体のガラパさんでの芝居がいいんでしょう。お二人ともナチュラルな会話が達者。
聞いていて思いましたが、しっかり聞いて→返す。が徹底されていた感じです。
コメディパートではもっとテンポを崩してもらったほうが笑いのフックが増えたのではないかな、とか。
「ここもっと笑えたな」と思った部分もチラホラ。冷静に観てしまうところも多かった。
いち観客の戯れ言ですが。
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60分間でお二人の顔がしっかり見れた場面は何回あっただろうか。
演出として客振りが極端に少なく感じました。
その良し悪しはともかく、
ハートがメラメラになってるのはわかるんですが、それがどんな風に現れてるのかもっとその表情を見たかった。
特にラストの叫びなんかはもったいないと感じてしまいました。
終盤コルジーニ(古賀さん)を抱き抱えてるところなんかは完全に潰れてしまって正直舞台上を見る必要もなかったかも。
客席や劇場の作りもあるので一概には言えませんが…。
まぁ自然体に近づけていくと、こっち(客席)には人いないんですから全然いいんですけどね。
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地味に装置のクオリティが高くて好きでした。
全部段ボールですかね?遠目でわかるくらいにしっかり作り込んであって真近で触ってみたくなりました。
芝居の中であまり触れなかったのが勿体無いくらい。
しかしそれらの土台が有り余るエネルギーを打ち出す発射台にもなってるんだなぁと、観客としては嬉しくなりますね。
旗揚げだとどうしても資金やその他の問題で簡素になりがちですが、手を抜かない姿勢も好感度高いです。
その分「これ1000円で大丈夫?」という心配も。この料金、このセットで5回も打ったら赤字必至では?助成金とか出てるんでしょうか。
この好スタートをしっかり次に繋げてほしいので心配してしまいます。”大きなお世話”ですかね。
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これからの演劇業界。福岡の若手の皆さんはドンドンと続いていってほしい。もちろん老若男女問わずですが。
演劇をしている人は皆どこかにこの二人のような泥臭い気持ちを持っていることでしょう。
若手演劇を育む土壌は近年出来上がりつつあると感じています。演劇祭とかロクコレとか。
まだまだみんな遠慮せずカマしていってほしいですね。
そんなこと考えちゃうくらい、今公演には期待と希望を感じられました。
この二人これから人気出るんだろうなぁ。2回目からも楽しみです。
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2022年初観劇がこれでよかった。
今年もよい一年になりそうです。
二人のこれからに期待大。ムネさっく2回目も、来たるガラパ本公演も楽しみにしています。