観劇・感想

観劇感想:非・売れ線系ビーナス第27回公演「木曽の最期」

作:田坂哲郎 演出:木村佳南子
会場:リノベーションミュージアム冷泉荘
チケット料金:1,000~2,500円
上演時間:約70分

公演の説明
非・売れ線系ビーナスの第27回公演。福岡の冷泉荘、長崎のアトリエPentAでのツアー公演となっている。
あらすじ
木曾義仲一行と、そこに現れた石田為久。四人による、死に方の打ち合わせ。
キャスト
中島伊織 西覚 ぽち 田坂哲郎

以下:雑感

良かった。滑らかで自然な会話。後半からエンジン掛かってくる感じ。しかしそんなブワーーッ!!と盛り上がることはない。オタクのマニアのニッチな題材の”クスっと笑い”で終わった。全部ジャブ。オチの鈴はエモくて好きだった。でも正直2,500円は高い。舞台上ほぼ見えないしラジオドラマとかでやっても同じだけ楽しかったと思う。

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会場は冷泉荘。舞台は、ほぼ白。シモ手にテーブルとイスが3脚?カミ手にはけ口。天井からなんか、木の根(?)みたいなものが何本かぶら下がってる。気にしないと気付かない。たまに客席側にもキャストが食い込んでくる。
キャストさん。ほぼ私服の冬服。あらすじも込みで「現代人が義仲の最期を議論する話」かと思った。全員平安の人と気付くのに時間がかかりました。
第一印象は「金かかってねぇ舞台だなぁ」でした。 

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平安期の武将、木曽義仲こと源義仲とその従者たちの終わりのひと場面。入場時のドタバタは戦で逃げ回ってる様?だったのかな。
会話はいいんだけどほぼ楽屋での駄弁りくらいの温度。”ネットで揶揄される嫌な邦画の喋り”みたいな感じで聞き続けるのに体力がいる。最初の30分くらいはキツい。演劇でされるとしんどいなぁ。客席近くても限界がある。
石田為久(田坂哲郎さん)が出てきてから話が動くのでそこからはなんとか。そこまではこっちから聞きにいかないとわけわからんくらいボソボソ。でも序盤逃したら絶対置いてかれるから頑張って聞いてた。

その後の流れでも大きく目が覚めるようなこともない。悲鳴で無理やりたたき起こされたけど心は離れたな。アレなんだったんだろう。読み取れなかった。
笑いもあっても、小笑いがぽつぽつ。序盤から引き込んでくれてたらもっと笑えたかも。

自分の座った位置も悪かったかもしれない。全然舞台見えなくて前を見ておく必要がほぼなかった。最前だったらまた感想も違ったろうか。

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「死に様をどう伝えるか」
平安期の侍ならではの死生観を、現代人のノリと語り口でフランクに伝えてくる。身なりも口調も現代なのに言葉はちゃんと昔言葉徹底しててギャップが面白かった。そこまでず~っと軽いのに最後の最期で切ない幕引き。見入りました。

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今回はちょっと、満足感薄かったのが正直な所。演劇は慈善事業じゃないんやぞというのは承知の上ですが会場とか衣装、演出とかみても「この値段かなぁ~~?」っていうのがぬぐえない。後ろに座ってたら表情とか見えないしホントラジオでよかったな。モヤモヤ楽しい観劇でした。木曽義仲にはすごく興味が持てました。
確かに非売れからしか得られない栄養がありました。ご馳走さまでした。次も楽しみにしてます。