映画・感想

映画感想:「スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース」

2023年製作/140分/アメリカ
原題:Spider-Man: Across the Spider-Verse
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

あらすじ
救ってみせる。愛する人も、世界も–
ピーター.パーカー亡きあと、スパイダーマンを継承した高校生マイルス。共に戦ったグウェンと再会した。彼は様々なバースから選び抜かれたスパイダーマンたちが集う、マルチバースの中心へと辿り着く。そこでマイルスが目にした未来。それは、愛する人と世界を同時には救えないという、かつてのスパイダーマンたちが受け入れてきた<哀しき運命>だった。それでも両方を守り抜くと固く誓ったマイルスだが、その大きな決断が、やがてマルチバース全体を揺るがす最大の危機を引き起こす…
<運命>を変えようとするマイルスの前に立ちはだかる、無数のスパイダーマンたち。史上かつてない、スパイダーマン同士の戦いが始まる!   ※公式サイトより

以下、雑感

すんげぇ””””””””COOL””””””””だ……。最初から最後までスクリーンいっぱいに物凄い情報量。画面も音楽も物語もキャラクターも全部【濃い】ぜ。「スパイダーマン」というコンテンツが今昇華されてるなー!私みたいなにわかでもも~楽しい。楽しすぎる。オタクであればあるほど盛り上がるだろうな。予想外の展開の連続だがあらゆる期待にしっかり応えて越えてくる。ハラハラドキドキで子供に戻ったような感覚だった。今回が初スパイダーマンでもめちゃくちゃ楽しめると思う。「3」が待ちきれない~~~~!!!!

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オープニング、アバンからもうやばいな。”新たな映像表現”というもはや逆に陳腐な言い回しで褒める以外の語彙が私の中にない。耳塞いでいても楽しいのではないだろうか。極彩色の嵐。情報の洪水が頭を刺激してくる。でも確実に「1」より洗練されてるのがわかる。否が応でも期待値高まるわ~~。

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冒頭グウェンの話。最初に思った(思い出した)のは、スパイダーマンって孤独なヒーローだった。ということ。前作やアベンジャーズのスパイダーマンはなんだかんだわちゃわちゃ楽しく頼もしい仲間とともにいるから忘れてた。みんな乗り越えてヒーローやってるとはいえまだティーンの女の子だったんだわこの子。普通にツラい。前回はマイルズを導く先輩ヒーローの1人だったけど、今回は彼女自身の変化成長もあってより物語が多層的で濃かったですな。ダブル主人公って感じ。父親に殺人の疑いかけられるってどんな気持ちだろう。それでもと奮い立って頑張っていたところ、別世界の同じ境遇のヒーローと出会えて、出会ってしまって。嬉しさと寂しさのないまぜになった心境たるや。飛び出したくもなりますわな。マイルズとのデートの時、というか今作通して前作よりテンション高めに感じたのも絶賛成長中の揺れる心を感じられた気がしてエモかった。2人のスパイダーだけが見られる逆さまの世界。美しい光景だった。2人も含めて。腹筋めちゃくちゃ使いそうだけど。

スパイダー・グウェン。ビジュアルもかっこいいよな〜。白地にピンクと黒。キュートカッコいいを兼ね備えてて最高。本人の髪型も良すぎる。半分ツーブロの毛先ピンク。私もしてみようかな。
マイルズよりもちょっと先輩。だけどいまだ未完成な彼女の魅力が詰まってた。お父さんとのすれ違いのあとのメンブレ状態の中、文字通り次元の違う使命を得た。普通の若者なら使命感でがちがちになりそうなところですが、マイルズに会いに行っちゃったりミスをごまかしたりとか。カワイイですね。テンションめちゃあがってたんでしょうな。
ラストの駆けつけたところもカッコいい~~~!月並みな感想すぎますけど、やっと自分のバンド組めたんですね。最後のメンバーを迎えに行ったところで締め。最高。無事に合流してくれ~~。
雨の中窓辺から中を窺うシーン。ハラハラしたな~。やたらカット切り替え多いなと思いましたがまさかあんなギミックがあるとは。すごいしっかりした伏線回収。普通にびっくりしてしまった。

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新キャラたちもみんなよかった~~。

インディア君。
ラスト自然といたけどインディア君はそりゃあいますよね。彼自身はもうカノンを越えちゃってるわけですですし、マイルズの行動を完遂させないと自分の世界の否定に繋がっちゃうし。とはいえ彼の性格を見るとなんもなくても参戦しそうである。「チャイティー」のくだりだけでめちゃくちゃ好感度上がった。
パンクさん。
カ、カッコいい~~!惚れそう。公開前ビジュアルだけ観てたらアホキャラかと思ってたのにあんなにしっかりした理念のある男だとは。また別種の「大人」でしたね。本人は否定しそうですが。そして海賊版作れちゃうのもすごい。スパイダーマンはどの時空に行っても頭めっちゃいいね。

他にもたくさん。書ききれねえ!しかしあの追いかけっこは絵面がやばい。もうお祭り騒ぎだ。マルチバースかくあるべきか。スパイダーマンのアクションはやっぱりチェイス映えしますね。スパイダーマン以外のヒーローにもあるのかなぁソサエティ。

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マイルズ。ちょっと大人になって15歳。前作よりは多少落ち着き”芯”のようなものが出来てきた気がして魅力的だ。様々な経験を経て迷いが無くなってきてるのが、まさにヒーロー街道邁進中って感じだ。とはいえ両親の愛がちょっとうっとうしく感じちゃうのはグウェン同様ティーンだなって感じで微笑ましい。進路面談の時の両親の説得はぐっと来たな。論理と愛情が両立されたイイ説得。お母さんがちょっと過激派だがそこもいい。
アース42に行ったラスト。すんごいハラハラした~。しかし納得。あの大人数のスパイダーマンから逃げきれたのもマイルズが特別、イレギュラーな存在である所以なのでしょうか。まさしく主人公だなー。42マイルズも喪失を経てダークヒーローっぽくなってるし。根っこの正義感というか。志はどこに行ってもあるんでしょうか。「3」でどんなふうに決着がつくのか全然読めない。

しかしミゲルみたいな男に眼前であんなこと言われたら…、前作のマイルズなら心折れてたことでしょうにすげえ胆力だ。B・ピーターが「お前みたいな人間になってくれたら」って思うのもわかるぅ~~。成長が良すぎる。グウェンたちともしっかり仲直りして全部上手くいってくれ。

「脇から血が出てるよ」がツボ。

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音楽も全部かっこいい。画面のバキバキ感ともマッチしまくり。映画館の帰り道では早速聞いてました。

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しかし「2」は「2」でケリが付くと思っていたのでモヤる~~~!!!いや、めっちゃイイところで終わったんですけどね
!次が来年かー待ちきれん。ここからさらに上がってくると思うと観客としてはどうなっちまうのか。楽しみ過ぎる。あっという間の2時間半。最高でした。がんばれマイルズ
!!